『Golf Club Wasteland』クリエイターインタビュー「作品へのコダワリと込めた思い」
人類が廃退した地球を舞台に、ギミックが満載のコースでゴルフをプレイするちょっとシュールな『Golf Club Wasteland』(Nintendo Switch:配信中)。
本作のコンセプトや注目点などを制作会社のDemagog Studioさんにうかがいました。
Demagog Studioの成り立ち
Demagog Studioは、ベオグラードを拠点とする20人ほどの小さなスタジオです。
私たちは、映像家・建築家・ミュージシャン・エンジニアなどから成る異色の集団で、世界観やストーリー性を重視したゲームやアニメーションを制作しています。
私たちの大きな野望は、インタラクティブで物語性の高いアートを制作するスタジオとして「ピクサー」のような存在になり、この時代の終わりを生きる世代のためのコンテンツを制作することです。
私たちのスタジオは4人のチームとして始まり、『Crisis Expert』(2012)と『Children’s Play』(2013)という2つの実験的なモバイルゲームをリリースしました。その後2017年から2018年にかけてチームを7人に拡大し、この『Golf Club Wasteland』をApp Storeで最初にリリースしました。
2021年の頭にはパブリッシャーと協業しはじめ、チームを20人に拡大して現在は2つのタイトルに取り組んでいます。
『Golf Club Wasteland』に込めた思い
『Crisis Expert』と『Children’s Play』は、私たちのチームの実力やアイディアを試す意図もあって、徹頭徹尾「実験的」なものでした。
その際のゴールは単にメッセージを送ることではなく、インタラクティブで風刺的なゲームを作って、それに対する人々の反響を見ることだったんです。
今回の『Golf Club Wasteland』も、ストーリー・世界観・雰囲気などは最初からしっかりと構想されていました。
一定の水準とクオリティを持ったミニシネマ的な体験で、プレイヤーが「お金を払う価値がある」と感じるようなものを目指したのです。
本作の世界設定は不条理で、ゲームプレイ自体はシンプルですが、まずは体験して頂くことに価値があると思っています。
「時代の終わりを生きる世代のためのコンテンツを創る」という奇妙なモットーを掲げている私たちは、ゲームに常に何らかの風刺を含めるようにしています。
多くのゲーム開発スタジオが、このようなことを避ける理由も理解しています。ただ、私たちにとっては、やる価値があることなのです。
本作の世界観を伝えるためのミュージックビデオ
作り手からの『Golf Club Wasteland』のおススメポイント
「人類が居なくなった地球は今や、超富裕層のためのゴルフコースとなりました」――これがこのゲームのコンセプトです。
本作では、消費主義やシリコンバレー文化、生態系災害などによる人類没落のシリアスなストーリーをまとめながら、終末感のただよう世界でゴルフを楽しむことになります。
火星から聞こえてくるラジオではDJが、クールな音楽や、火星に移住した人々が語る地球での思い出を聞かせてくれます。
本作には様々なゲームのジャンルや要素を取り入れ、他にはないゲームを作り上げたと自負しています。
ゴルフというスポーツゲームでありながら、背景に流れるラジオ放送によって深く感傷的な物語が語られます。
また、パズル要素や、美しい陰鬱さとキャッチーさの間を行き来するような、非常にユニークなサウンドトラックもお楽しみいただけます。
本作のディストピアな世界観を伝える、架空のポスター
Golf Club Wasteland(ゴルフクラブ・ウェイストランド)
■Beep
■2021年12月23日配信
■1290円(込)
■スポーツ・パズル
■IARC16歳以上
■プレイ人数1人
(メーカー公式サイトはこちらから)
人類が居なくなってしまった地球を舞台にしたゴルフパズルゲーム。
主人公は超富裕層の人々を地球から火星に避難させたパイロットの一人「チャーリー」。長年暮らしていた火星から危険に満ちた地球に戻り、人生最後のゴルフに挑戦します。
プレイ中に流れる火星からのラジオ番組を聴くことで、人類が衰退した原因も明らかになっていきます。
Golf Club Wasteland (ゴルフクラブ・ウェイストランド) is published in Japan by Beep. Copyright ©2021 Developed by Demagog Studio x Untold Tales S.A. All rights reserved.