グッド・フィールが完全新作アクションシューティングをリリース!Nintendo Switch『モンキーバレルズ』インタビュー
『毛糸のカービィ』や『ヨッシー ウールワールド』、3DSの『すれちがいシューティング』など、“いい感じ”の触り心地の作品を開発してきたグッド・フィールが、完全オリジナルタイトルとしてアクションシューティングをリリース!
Nintendo Switchダウンロード専用ソフト『モンキーバレルズ』が、11月7日(木)配信となります。
まずはPVをご覧ください!
荒廃した日本で繰り広げられる、サルカニ合戦!
(ゲームの主人公はカニではなくサルですが)
左のスティックでキャラクターを動かし、右スティックで敵を狙う(エイム)!
全98種の武器から、メインウェポン2種、サブウェポン2種を組みわせて戦いに挑みます。戦略や得意不得意に応じて、武器のセレクトはさまざまに広がる……!
ハードながらやりこむほど爽快感を増す、アクションシューティングゲームです。
1人プレイをじっくり楽しめるほか、6人同時対戦のオンラインモードも搭載。
初の自社ソフトとして発売するにあたり、その意気込みやゲームの内容について、ディレクターの塚脇忠典さんにお話をうかがいました。
ディレクター
塚脇忠典(つかわきただのり)さん
グッド・フィールの設立から所属し、さまざまなゲームのアートディレクターやコンセプトアートなどに携わってきた「絵をなんとかする係」。
本作ではディレクター、企画、キャラクターデザインやコンセプトアートも担当。
映画『マッドマックス』のようなアクションシューティングを!?
ニンドリでも取り上げたグッド・フィールのこれまでの開発タイトルといえば、ヨッシー(クラフトの世界!)や毛糸のカービィ(手芸の世界!)といった温かみのあるグラフィックが特徴的でした。本作は、それらとはまたガラリと違う印象の本作。
その驚きのニュースについても、率直にうかがいました。
Q.グッド・フィールのオリジナルタイトル第一弾ということで、新作ソフトを作ることになった経緯を教えてください。
塚脇 会社が設立して10年過ぎたあたりから、プロデューサーの蛭子(※)と「オリジナルのタイトルを作りたいね」と話していたんです。
僕自身もそれを会社に入ったときからの目標としていましたので、今回「やらせてもらいたい」と申し出ました。
(※)本作のプロデューサーを務める蛭子悦延さん[関連リンク]
Q.アクションシューティングというジャンルは、どうやって決まったんですか?
塚脇 初めての自社ソフトを作るに当たっては、最初からトリッキーなことをするんじゃなくて、しっかりできあがったジャンルの上で、自分たちがどれぐらい面白いものを作れるか試そうということになりました。
そこで蛭子からは、「アクションシューティングで」という指定があったんです。映画『マッドマックス』みたいなものをやってよ、と。
ーー ジャンルや雰囲気が指定されていたのですね(笑)。塚脇さんご自身は、これまでアクションシューティングを作られた経験は?
塚脇 好きなジャンルではありましたが、作ったことはなかったんです。なので、まず自分なりに「アクションシューティング」について分析していくことから始めました。
そうすると、「狙う」「撃つ」「避ける」3つのアクションを徹底的に気持ちよくなるようにすることが必要だなと。
それと、弾幕が入り乱れて画面がにぎやかになるようにはしたかったんですが、アクションシューティングが苦手な方でも遊べるように、簡単に回避できるように作りたいと思って。
アクションが苦手な方でも回避ボタンを押しながらチャンスを待って攻撃すれば、いずれ勝てるような設計にしました。
ーー 丁寧に分析していくことから始めた、と。ちなみにグッド・フィールさんの社内には、アクションシューティングをプレイするのが得意な方もいらっしゃるんですか?
塚脇 シューティングをプレイするのがバケモノみたいに得意な人も社内にはいます(笑)。そういう人にも社内モニターとして遊んでもらって。
で、意外とすんなりクリアされたりして、「うまい人に満足してもらうためにはもうちょっとこういう風にしなきゃいけないんじゃないか……」など、社内で協力を得て作っていきました。
始まりは五反田から! 荒廃した日本でのサルカニ合戦
Q.主人公がサルで敵がカニになったのはどうしてですか?
塚脇 「避ける」という動きを強くしたいので、そのイメージだとお猿さんがマッチすると思い、主人公が決まりました。
敵に関しては、僕らが今まで作ってきたゲームのスタジオ、グッド・フィールのカラーを壊したくないという思いがあり、撃つと血しぶきが出るような生き物ではない方がいいなということがまずありました。
それで、撃って、爆発したり破片が飛んだりして壊したときに気持ち良いんじゃないかと考えた造形物が、家電製品です。
それも、猿の敵と言えば「猿蟹合戦」だろうということで、敵の家電メーカーのキャラクターにカニのモチーフを取り入れて、「猿蟹合戦」で全体をパッケージングしようということになりました。
グッド・フィールではいつもそうなのですが、まず遊びのコンセプトがあり、そこから絵的なディティールを詰めていくというステップで考えていきました。
Q.荒廃した日本という舞台はどうやって決まったのですか?
塚脇 最初に“アクションシューティングでマッドマックスのような雰囲気”というリクエストがあったので、荒廃した世界というモチーフがあったのですが、日本人の我々が海外の荒廃した世界を作ってもイマイチ盛り上がらない。そう考えて、舞台を日本にしました。
日本の街も、看板など純粋にかっこいい部分がありますから。
塚脇 しかも、オープニングの場所は弊社が入っている五反田のビルです。
そこから大崎へ、品川へと向かい、新幹線で神奈川へ……という、めちゃめちゃローカルなところから始まるという展開になりました(笑)。
塚脇 東京の次に神奈川をピックアップしたのは、バイクのステージを入れてみたくて。湘南の海沿いを走るんです。
そのほか、戦車に乗って戦うステージなどもあり、ステージを進むにつれて変化のある遊びを楽しめるようにしています。
4つの武器の組み合わせが攻略のカギ! 初心者に嬉しいサポートも充実
Q.アクションシューティングとして、爽快さを目指すために心がけたことなどを教えてください。
塚脇 小さい壁は用意しつつ、「ここまでできたら、ここまではできるようになるだろう」みたいなところは慎重にチューニングしていきました。
本作は武器の種類が豊富で、ステージをクリアするごとに少しずつ使える武器が解放されるようになっています。
メインの武器2つとサブウエポン2つ、合計4つの組み合わせを変えれば、詰まっていたのに意外と楽にクリアできるようになるステージなどもあります。
人によっては遠くから撃って倒したい、近づいていって倒したいなどプレイスタイルが異なると思います。自分のスタイルに合わせて組み合わせを試してもらえれば、途中で詰まっていても通過できるように意識して作っています。
Q.ステージ内のチェックポイントについて、上手な活用法を教えてください。
ーー まずチェックポイントを経たときに、持ち帰れるものと失われるものを教えてください。
塚脇 ステージ内で手に入った武器の設計図などは、ステージをクリアできるまでは持ち帰れません。それ以外は基本的に、道中で手に入ったお金などはセーブされますね。
ーー ステージの途中で詰まった場合、キャンプに戻って見直すか、チェックポイントから先を頑張って進めるか、どちらが良いでしょうか。
塚脇 詰まったらチェックポイントから何度もやり直して攻略してもいいのですが、それでも上手くいかない場合は、一度キャンプに戻り装備を見直すのをオススメします。作戦がハマればガラッと攻略しやすくなります。
また、何回リトライしてもペナルティはありませんし、一定回数ゲームオーバーになるとライフが加算されます。
それにボス戦の直前には、絶対チェックポイントがあります。
ーー 親切!
塚脇 リトライするたびにお金は貯まっていくので、どうしても武器を変えてやり直したくなったときは、貯まったお金で新しい武器を買ってステージの最初からトライしてもらうこともできますよ。
Q.オンライン対戦は、いつのタイミングでどのように楽しむ設計で作られているのでしょうか?
塚脇 基本的にはどのタイミングで遊んでいただいても大丈夫です。
ただ、使える武器のバリエーションは1人用のストーリーモードを進めることで増えていきますし、練習して立ち回りもうまくなっていくので、1人用で武器のコンプリートなどを目指しつつ遊んでいただくと有利にはなると思います。
ルールも、相手を撃てばクリアではなく集めたバナナの数を競うものになっているので、1発も相手を撃たなくても勝てることもあります。むしろ、僕が遊ぶ場合はその方が勝率が高いです(笑)。
ほかにも、たとえばサブウェポンの「バリケード」をめちゃめちゃ作って勝つという戦法もあるかもしれませんし。
ーー その戦法の対策がされたり、また違った戦法が編み出されたり…と、さまざまな戦略やトレンドが生まれそうですね。
塚脇 そうですね。攻撃型もいれば待ち型の人もいたり……。
オンライン対戦モードの制作は社内のチャレンジでもあるのですが、シンプルな作りでずっと遊べるように作っています。
マッチングについては、ある程度同じスキル帯の人同士でマッチングするようになっているので、ぜひ挑戦してみてください。
Q.これから遊ぶ人へのメッセージをお願いします!
塚脇 一見難しそうと思うかもしれませんが、高難易度を目指して作ったのではなく、遊びやすさをしっかり意識しています。
私自身もそんなにシューティングゲームが上手なわけではありませんが、そんな自分のような方でも弾幕を掻い潜り、かっこいい武器でシューティングして遊べるようなゲームを目指して制作しました。なので「難しそうかな?」と尻込みしている人も、武器の組み合わせを考える楽しさや、ハードルを突破する気持ちよさを、ぜひ体験してほしいと思います。
(取材・文/編集部りふぁ、平原学)
モンキーバレルズ(MONKEY BARRELS)
□Nintendo Switchダウンロード専用ソフト
□11月7日(木)配信
□1500円(込)
□公式サイト https://monkey-barrels.com
□公式ツイッター @monkey_barrels
任天堂のゲーム制作にも通じる「ゲームありき」のデザイン、グッド・フィールらしい丁寧な作り込み、そしてゲームとしての遊びごたえが感じられるインタビューでした。
なお、11月21日に発売される『Nintendo DREAM』本誌では、ステージやキャラクターについてなど、さらに深いお話もお届け予定。
どうぞお楽しみに!
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