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堀井雄二さん×藤澤仁さん×横田賢人さんが語る! 『DQⅣ』の世界観で描く『ドラゴンクエストモンスターズ3』誕生秘話

約22年ぶりのナンバリングとなった『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』。本記事では開発の中心人物である、堀井雄二さん、藤澤仁さん、横田賢人さんにご登場していただき、どのような思いを込めて制作していったのかをたっぷりお届けします(ニンテンドードリーム2024年1月号掲載)。

発売前からユーザーの意表を突いた『DQM3』

登壇者プロフィール

インタビューに入る前に、『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』(以下『DQM3』)をさらっとおさらい!

『DQⅣ』の敵役・ピサロが主人公の「DQM」シリーズ完全新作

本作は魔族の王である父に呪いをかけられた主人公・ピサロが、「モンスターマスター」として仲間にしたモンスターと共に冒険する。人間や魔族、エルフや天空人など、さまざまな種族が暮らす世界で描かれるストーリーとなっている。

仲間にしたモンスターでバトル!

パーティはメインに最大4体、スタンバイ4体の最大8体のモンスターで構成。「闘技場」では育成したモンスターたちと全クラス制覇を目指そう!

配合システムが進化!

仲間にしたモンスター2体を「配合」すると、新たなモンスターが生まれる。本作ではその配合がリニューアル。生まれてくるモンスターがイメージしやすくなった

「魔界」を舞台に大冒険!

ピサロはモンスターが統治するさまざまな「魔界」を冒険することとなる。各魔界は上級・中級・初級の3つに分かれている。また、フィールドには四季が存在し、出会うモンスターやしかけも変化するのでいろいろな景色を楽しむことができる

ナンバリングとサブタイトルに込めた思い

―― GB版『ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵 ルカの旅立ち/イルの冒険』(以下、『DQM2』)から数えると約22年ぶりのナンバリング3作目となってビックリしました。

横田 まず『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー』(以下『DQMジョーカー』)シリーズが3作で完結しました。なので次の新作のタイトルは「『ドラゴンクエストモンスターズ◯◯』の1作目にしよう」と最初に思って堀井さんにご相談したところ、「タイトルは『モンスターズ3』にしよう!」っておっしゃって。「ドラゴンクエストモンスターズ」(以下「DQM」)シリーズ本編っていうとややこしいんですけれど(笑)、なにも言葉がつかない、純粋なナンバリングにすることによって、「王道のモンスターズをまた作っていますよ!」という姿勢の表れにもなりましたね。GB版『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』(以下、『DQM1』)のテリーやミレーユのように、過去作で登場したキャラクターが主人公となってきたところも含めて、堀井さんの「直球がいいんじゃない?」という話もあって、ナンバリング作品にすることになりました。

―― サブタイトルはどのように決めていったのでしょうか?

堀井 いくつかある案の中からボクが決めています。『魔族の王子とエルフの旅』が一番ドラマチックでいいかなと思ってね。ストレートだし、なんかワクワクするかなぁと!

藤澤 堀井さんにサブタイトルを提案するにあたって、ストーリーノート(※株式会社ストーリーノート。藤澤さんが代表を務めるシナリオ制作会社)からいくつかアイデアを出させてもらったんです。選ばれた『魔族の王子とエルフの旅』は僕が最初に考えたものだったので、イメージは合ってるなと思いましたね。

横田 一番ド直球なものだったと思いましたね。前作にあたる『DQM1』や『DQM2』も含め、堀井さんも「DQM」シリーズというゲームは「わかりやすいのがいいんじゃない?」というタイトル案にしていましたので。

―― ほかの方向性も考えてはいたんですか?

横田 はい。ひねったものとかもいくつかありました。ちょっとエモくしてみたり、かっこつけてみたりしたタイトル案もあったのですけれど、堀井さん的に「シンプルが一番いいんじゃない?」という話で。僕らも「そうですね」という感じで、割とズバッと決めていただきました。

―― 過去作のサブタイトルは、世界観も一言で表現しているような内容ですよね。

藤澤 サブタイトルにはカタカナを入れたいと思って、「エルフ」という単語を入れました。本編ではあまり使われないので、これだったら「DQM」っぽさも出るかなぁと。

体験版を触ったユーザーからの反響

―― 『DQM3』は発売約3か月前に体験版が配信されるという「ドラゴンクエスト」(以下「DQ」)シリーズとしては珍しい展開でしたね。

堀井 「DQ」って最初に発表したときに「ここから制作しますよ」みたいな感じが多いんですが、『DQM3』は発表と同時に発売日も言っちゃったんですよね(笑)。さらに体験版も発売日よりかなり前に配信するという、みなさんの意表を突いた感じでやりました。ユーザーのみなさんもすごくびっくりしたと思いますけれど、喜んでもらえたと思っています。

横田 確かに「DQ」シリーズで発表からすぐにいろんな情報をドンッ! って出すのって、あまりやってこなかったですよね。ただ僕は5年前の2018年11月6日に「DQM」シリーズ20周年の生放送「誕生20周年! ドラゴンクエストモンスターズ成人式」でスマホ向けに『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランドSP』をその場で発表、翌日配信したんです。今回も結構急激な展開だったとは思うんですけれど、『DQM3』に関してはいい反響があったかなと思います。

堀井 体験版なのに、もう攻略サイトができてるの、すごいなって思ってます(笑)。

横田 ユーザーさんの間では、製品版にどのモンスターを連れて行くかとかも議論されていますね。

藤澤 体験版ではまだストーリーのほんの一部しか見られない段階ですよね。『ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち』(以下、『DQⅣ』)の世界を使った全然違うパラレルワールドかと思いきや、「結構原作に近いことをやろうとしている」…という気配だけでも感じていただけたみたいですね。それによって「期待が高まった!」という声がたくさん見られたので、よかったなと思っています。

―― ロザリーヒルから体験版が始まりますが、当時2Dだった世界が3Dで描かれているところに感動しました。村の真ん中にいるお店とおじいさんも、3Dでそのまま再現されていて(笑)。

横田 体験版の範囲では『DQⅣ』の原作の物語に対して「どれくらい『DQM3』が干渉するのか?」とか 「時系列はいつなのか?」 みたいな憶測や議論はされていて。体験版では、そこの余地を残した状態なんですよね。でも、体験版だけでも「DQM」の楽しさみたいなものが、シンプルに伝わればいいなと思っています。

ロザリーが住むことになる「ロザリーヒルの塔」も3Dで再現。ロザリーヒルに塔が立つときはジーンとくるものがある

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