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【PJCS2024】『ポケモンユナイト』部門・『ポケモン GO』部門・カードゲーム部門のアツい対戦を振り返り!

ポケモンバトル4部門で日本一を決める大会「PJCS2024」。
『ポケモンユナイト』部門・『ポケモン GO』部門・カードゲーム部門の様子をまとめてレポート! 各部門のチャンピオンの直接取材も。

大盛況で幕を閉じた 各4部門の決勝戦をレポート

ポケモンバトル4部門で日本一を決める大会「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2024」(以下「PJCS2024」)が、6月1日(土)・6月2日(日)にパシフィコ横浜で開催されました。

前回特集した「ゲーム部門」に引き続き、『ポケモンユナイト』部門・『ポケモン GO』部門・カードゲーム部門も大激戦!
その各部門の熱気を、ポケモン歴28年のライターがレポートします。

▼【PJCS2024】に関する記事はこちら

「ポケモンユナイト部門」は、他所のエリアも驚くほどの大歓声!!

ポケモンユナイト(Pokémon UNITE)』は、Nintendo Switchやスマートフォンでプレイ可能なゲーム。
2021年7月にリリースされ、ポケモンのゲームシリーズの中では比較的若いタイトルになります。

5対5のチームバトルでスコアを競う『ポケモンユナイト』
ポケモンシリーズ初のチーム戦略バトル。プレイヤーはポケモンを1体操作し、その能力を活かしつつ相手サイドへのゴールを狙う。試合終了時のチームスコアによって勝敗が決まる。

オフライン大会としても今回が初開催。その盛り上がりようは、まるでジェットコースター!
次から次に目まぐるしく戦況が変化していくので、その度にドッカンドッカンと歓声が上がるのです。

私がほかの部門を観戦していた最中にも、観客の声が突き抜けてくるようなシーンが何度もありました! その沸き起こる声援から「何だかあっち(『ポケモンユナイト』部門のエリア)すごいな」と、多くのポケモンファンが興味深そうに目を向けるほど。
歴史は浅くとも、注目度はNo.1という印象がありました。

左から実況キャスターの水上侑さん、篠原光さん、解説担当のたきしまさん、ちょもすさん

『ポケモンユナイト』部門の優勝チームは 実績を積み重ねた選手が勢ぞろい!

そして、8チームの中から日本一の座を勝ち取ったのは、チーム「チャンピオンロード」。
特に決勝戦2試合目の前半では、バシャーモを使用していたpyi選手が、敵3体に囲まれながらも耐えるという強さを見せつけました。

左からKakigomewFox選手、Lucapo選手、TON・GG選手、ま・しお選手、yume爱選手、pyi選手

また同試合の終盤では、出現したレジエレキの討伐をあえて逃し、チーム一丸となって相手チームのポケモンをKOすることに集中。そして試合の最後に現れたレックウザを確実に仕留めるという恐るべき戦法も。

バトル終盤に出現するレックウザを倒すと多くのスコアが得られ、非常に有利となります

※写真はチーム「ネオ人参」対 チーム「めでたし」の試合中のものです

このチームはもともと、昨年度に行われた「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023」で、日本代表選抜チームに所属していたメンバーで構成されたとのこと。

表彰式後に行われた囲みインタビューでは、メンバー同士がお互いを讃え合うような仲のよさも見せ「プライベートでも本当に息ぴったり」という印象を持ちました。

会場の熱気が実況キャスターに影響!?

なお、試合を盛り上げる実況者にも注目が。
篠原光キャスターは実況に熱が入るあまりスーツを脱ぎ、ワイシャツ姿で叫びまくっていました。その姿に心打たれてか、観客席には「篠原さんYシャツも脱いで♡」と書かれた団扇を持ったファンも…(笑)。

さすがにそれは叶えられませんでしたが、試合や選手だけでなく実況解説者も話題になるほど、シーンに大きな盛り上がりを感じることができました。

『ポケモン GO』部門では“1対1の読み合い”がアツイ!

スマートフォン向けゲーム『ポケモン GO(Pokémon GO)』のバトルも熱戦でした。
『ポケモン GO』と言えばポケモンをゲットすることがメインのゲームと思われがちですが、2018年からゲーム内で対戦システムが実装されており、2022年から正式種目として『ポケモン GO』部門の大会が実施されています。

プレイヤーの位置情報を使って遊ぶゲームアプリ『ポケモン GO』
プレイヤーの近くに出現したポケモンをつかまえて集めたり、育成してジムにバトルを挑むことなどができる。
『ポケモン GO』部門で行われたのは、ゲーム内に実装されている「トレーナーバトル」を使った対戦方式。制限時間のなかで、手持ちのポケモンを1体ずつ場に登場させて戦う。
左から、実況のコーリーさん、解説のGameWith佐藤さん、ゆふいんさん

『ポケモン GO』の対戦ルールは、まず6体のポケモンでチームを編成し、その中からさらに選んだ3体を1体ずつ場に登場させて戦わせるといったもの。ポケモン本家のシングルバトルにも近いですが、こちらはターン性ではなくリアルタイムバトルなのが特徴です。

バトルでは、画面をタップしてノーマルアタック(通常攻撃)を繰り出しながらゲージを溜めていき、スペシャルアタックで相手ポケモンに一気に大ダメージを与えるといった戦略が可能です。

ただし、スペシャルアタックのダメージを1にするシールドが2回使えたり、ポケモンの交代にクールタイムが存在するなど、シンプルながらも読み合いが重要な奥深いバトルが魅力となっています。

『ポケモン GO』部門の優勝選手は「サトシ」のような情熱の持ち主

『ポケモン GO』部門でチャンピオンになったのは、こちらのカイセサトル選手

決勝の1回戦では、対するマツダアユム選手に大敗してしまいましたが、2戦目から立て直し、2勝1敗で見事チャンピオンとなりました。

笑顔でガッツポーズを見せるカイセ選手

私も、その決勝試合を目の前で観戦!
相手側のマツダ選手は、スペシャルアタックを繰り出す際に画面に出てくるスワイプアクションをわざと1回はずして、ダメージ調整をするといった高度なテクニックを見せていました。
ほかにもカイセ選手のナマズンの「どろばくだん」を、耐性を持つチルタリスに交換して受け止めるなど、会場が息を呑むような場面も。

しかしこの局面もカイセ選手は慌てることなく「冷静に、自分ができる試合をした」と後のインタビューで語ってくれました

また、マツダ選手が“ここ一番”で大技を繰り出したとき、なんとカイセ選手のポケモンがギリギリで耐え、反撃へ! 「アニメのポケモンバトルのまんまだ!」と感じるような熱い試合展開でした。

マツダ選手のチルタリスが使った大技「りゅうせいぐん」に耐え、カイセ選手のエアームドが「ゴッドバード」で反撃

試合中の厳しい表情から、私は勝手にカイセ選手のことを「ゲームに出てくる四天王・シバのような厳格な方なのかな?」と想像していました。

しかし表彰式後の囲みインタビューでは、キラキラと目を輝かせながらステキな笑顔で「勝つためには心を燃やすこと」とアツい思いを語ってもらい、むしろアニメの初代主人公・サトシのような優しさと情熱を持った方だ! と印象が変わりました。

目と目が合ったらポケモンバトル! 波乱の「カードゲーム部門」

最後は「ゲーム部門」に次いで、ポケモンバトルの中でも歴史の長い「カードゲーム部門」の模様をお届け。
1試合1試合が長く、会場の全エリアの中でも特に緊迫した空気が続いていた印象を持ちます。

左から、実況の原田修佑さん、解説のよぴふっとさん、招待選手のあばれる君

ジュニアもシニアも真剣そのもの。特にほかの部門と違い、目線の先にあるのは互いのカードと相手の表情なので、まさに「目と目が合ったらポケモンバトル」という言葉通りの状況が繰り広げられていました。

「ポケモンカードゲーム」の基本ルール
・60枚のポケモンカード(デッキ)で戦う
・場の中央、「バトル場」にお互いのポケモンカードを1枚置いて戦う
・「ベンチ」には控えのポケモンカードを、「サイド」にはカードを6枚置く
・ワザで相手のポケモンをきぜつさせると、自分のサイドからカードを1枚引くことができる
・相手より先に、自分のサイドに置かれたカードを全て取ると勝ち
写真上部、「00:00」のTIMEに注目。試合時間は50分ですが、勝敗がつかず延長戦になる試合も多くありました

優勝したコビヤマ選手 エース2枚がサイド入りという絶望的スタートから這い上がる

どの試合にもドラマがありましたが、やはりマスターリーグの決勝戦は語らずにはいられません。

コビヤマヒカル選手マキノユウスケ選手の戦いで、1戦目はマキノ選手が勝利。
もう後がないコビヤマ選手は2戦目から巻き返しを図ろうとしますが、なんとエースとして使用していたチラチーノ2枚がサイド(※1)の中にいるという絶望の状況からスタートし、客席からもどよめきが起きていました。

しかし中盤、コビヤマ選手のガチグマ アカツキex(※2)が、強力なワザ「ブラッドムーン」を発動。
マキノ選手のタケルライコexを倒し、サイドからカードを2枚獲得。
そのときようやく1枚出てきたチラチーノを見たときのコビヤマ選手の笑顔に、観客席からも祝福の拍手が…!

その後も接戦が続いたものの、見事2勝したコビヤマ選手が優勝となりました。

※1「サイド」…自分の場に置かれた6枚のカードのこと。相手ポケモンをきぜつさせることで、カードを1枚引けるようになる
※2「ex」…「ポケモンex」と呼ばれる強力なカード。ワザが強い、HPが高いなどの特徴を持つが、exがきぜつするとサイドのカードを2枚取られてしまう

マスターリーグの決勝戦を見事勝ち抜いたコビヤマ選手

試合後の囲み取材でコビヤマ選手が語っていた「ひとりでは勝てませんでした。デッキの作り方を周りの得意な人に教えてもらったり、自分も得意なことを教えるなどで助け合いながら、気の合う友達といっしょに遊んだことが、勝つための秘訣です」という言葉が心に残りました。

左から、シニアリーグ優勝・イトウタイセイ選手、マスターリーグ優勝・コビヤマヒカル選手、ジュニアリーグ優勝・ハマアキシオン選手

広がるポケモンの世界。つながるポケモンファンの絆

さいごに、選手として大会に参加した経験のある私から、本大会の感想を述べさせていただきたいです。

2024年度の日本一が決定した、ゲーム部門、『ポケモンユナイト』部門、『ポケモン GO』部門、カードゲーム部門。この4部門すべてをひとりでまんべんなく観戦するのは、正直なかなか骨が折れました…(苦笑)。
しかし、それができるようなステージ作りがされていたこともあり、結論から申し上げれば、非常に贅沢な時間を過ごさせていただいたと感じています。どの部門もアツく、数々のドラマが生まれていました。

もちろん、勝った方がいれば、悔し涙をこぼした方もいらっしゃいます。笑顔ばかりではなく、ときには涙を拭うのも、真剣勝負ゆえの結果。
ただ、今回それぞれのチャンピオンを取材させていただいてわかったのは、日本一になったみなさんも決して「今までのバトルで負けなしではなかった」ということでした。

それぞれの悔しい思いを重ねて、ようやくこの日に日本一に輝いたみなさんがいます。
今年のカードゲーム部門のマスターリーグチャンピオン・コビヤマ選手も、バトルを3年休んだ後、復帰されて今があるということを語られていました。

その悔しさをバネに、また次のバトルに挑んでもいい。バトルはしばらく休んで、好きなポケモンを愛でてもいい。むしろ今はポケモンから離れて、またいつか再び戻ってきてもいい。
今回悔しい思いをされた方も、「それでもポケモンが好き」という気持ちを忘れずにいてくれたら、と思いました。

ポケモンはいつでもファンである我々を待っていますし、これからもどんどん世界が広がっていって、ファンの絆もつながっていく。
そして、次は8月の「ポケモンワールドチャンピオンシップス2024(ポケモンWCS)」における日本代表選手たちの活躍を祈りしながら、これからもみなさんで、ポケモンを愛していこうではありませんか!
(ライター・平原学/ひらばる まなぶ)

<関連リンク>

▶︎ポケモンジャパンチャンピオンシップス2024 公式サイト


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