任天堂ゆかりの地 社屋編 創業地から現在の開発棟まで、その歴史を知る!
任天堂創業の地や、これまでの本社および社屋について、歴史を追って見ていきます!
さまざまなゲーム内にも任天堂ゆかりの地をモチーフとしたアイテムや言葉が登場していたりもしますので、それらもご紹介。ニンテンドーミュージアムとあわせてその歴史に思いを馳せたり、ゲーム内の小ネタを知るのに役立ててください。
任天堂社屋の変遷を知る
NDW読者の皆さんであれば任天堂のルーツが京都府にあることをご存知の方も多いと思います。
創業当時の花札製造工場から、現在の本社、そして10月2日にオープンしたニンテンドーミュージアムに至るまで、京都府は任天堂を語る上で切っても切れない関係にあります。
そんな京都府に存在する任天堂ゆかりの地を、社屋と工場の2回に分けてご紹介。この記事では社屋についてまとめています。
(文・写真/イッキ)
※カッコ内の年代は社屋として使用されていた時期を表しています
目次
創業地の社屋(1889年~1959年):山内任天堂
京阪本線七条駅の近くにある創業地の社屋。
任天堂は1889年に山内 房治郎(やまうち ふさじろう)氏によって創業されました。ご存知の通り当時は花札の製造を行っていました。
現在は丸福樓となり大きく変わりましたが、創業当時はこのような外観でした。
任天堂創業地のすぐ近くには同じく山内房治郎氏が創業した「灰孝本店」もあり、創業一家山内家の活動の片鱗を感じることができます。
旧社屋(1933年~1959年):山内任天堂/丸福樓
1933年、2代目社長の山内 積良(やまうち せきりょう)氏によって建設されました。
この年は花札の製造、販売を目的とした「合名会社山内任天堂」が設立された年でもあり、この社屋は山内任天堂時代の社屋となります。
入り口の扉に印字された丸福のロゴ、トランプやカルタ、山内任天堂と記されたプレートなど当時の任天堂を想わせるレトロな佇まいが特徴です。
2022年4月からは丸福樓として宿泊施設に生まれ変わっていますが、元々任天堂ファンの間では有名な建物だったので、丸福樓となる以前の旧社屋を訪れたことのある方も多いのではないでしょうか。(※掲載の写真はホテル改装前のもの)
当時は施設としては稼働しておらず、奥まった立地も相まって寂しげな印象でしたが、現在は宿泊施設のリッチな雰囲気を建物の外からでも感じることができます。
▼丸福樓の宿泊レポートもぜひご覧ください!
当時の花札に印字されていた「丸福」、創業一家「山内」など任天堂にゆかりのある名称、さらには社屋自体がゲーム中に登場していることがあります。
例えば「どうぶつの森」シリーズや「ピクミン」シリーズでは、こんなアイテムが登場。よ〜く見てみると…?
Switch『あつまれ どうぶつの森』より
スマートフォンアプリ『どうぶつの森 ポケットキャンプ』より
Switch『ピクミン4』より
前社屋(1959年~2000年):京都リサーチセンター
京阪本線鳥羽街道駅のすぐ近くにある社屋。現在は京都リサーチセンターとして稼働しています。
この土地は、任天堂が持つ京都市内の工場の集約を目的に、社屋が建設される以前の1952年から使用されていました。
その後、同敷地内には社屋が建設され、その社屋が1959年から本社として使用されることとなります。
雰囲気を一新し、白を基調とした立方体の作りとなりました。以降の社屋もほぼ同様のデザインが採用されています。
ちなみに、この社屋を使用していたのは任天堂だけではなく、「ファイアーエムブレム」シリーズなどでおなじみのインテリジェントシステムズ株式会社が2003~2013年に入居していたほか、任天堂グループでもあるマリオクラブ株式会社が現在も入居しています。
マリオクラブ株式会社の公式ホームページ には、任天堂前社屋の写真が掲載されています。
前社屋ゆかりの名称もゲーム中に登場しています。
例えば、ニンテンドーDS「トモダチコレクション」には「あめのとばかいどう」という曲が収録されていたほか、次作ニンテンドー3DS「トモダチコレクション 新生活」にも服や喫茶店内など様々なところで鳥羽街道という名称が登場していました。前社屋が鳥羽街道駅のすぐ近くにあることから馴染みの深い地名ですね。
「あめのとばかいどう」他『トモダチコレクション』の楽曲はNintendo Musicにも収録されています。
3DS『トモダチコレクション 新生活』より。服をよ~く見てみると…?
また、Wii『キキトリック』では数ある独特な映像の一部に前本社の敷地内で撮影したと思われる映像があります。
(Wii『キキトリック』より)
本社社屋(2000年~)
近鉄京都線十条駅、地下鉄烏丸線の近くにある社屋。現在でも使用されている本社です。
設計は吉村建築事務所が行い、前社屋とほぼ同様のデザインとなっています。
地上7階、地下1階の構造となっていて、任天堂オンラインマガジンによると、6階の食堂からは京都タワーが見えるのだとか。
さて、この流れでゲーム中に登場する本社の要素も紹介します。
Wii「おどるメイドインワリオ」の説明書27ページ目には本社と思われる建物がなぜかワリオ不動産のマンションとして掲載されています。
任天堂公式サイト Wii『おどるメイドインワリオ』取扱説明書より
また、Wii U「スプラトゥーン」に登場するステージ「デカライン高架下」は本社近くに十条通りやインターチェンジがあることが由来となっています。(※デカ(deca)は10の1乗)
Wii U『スプラトゥーン』より
海にちなんだ名称のステージが多い中、唯一デカライン高架下のみ、そのルールから外れているのは、京都モチーフだからなのかもしれませんね。
本社 開発棟(2014年~)
本社北側のほど近くに建設された研究開発拠点。
もともとこの土地には京都南ゴルフガーデンがあり、2008年にその跡地を任天堂が取得しています。
本社と京都リサーチセンターに分散していた開発人員を集約し、開発体制を整える目的で設置されました。
本社とは異なり設計は日本設計が行いましたが、こちらも白い立方体のデザインとなっています。
ここまでくるときっと開発棟もゲーム中に…!と思った方も多いでしょう。しかし、開発棟がハッキリと登場したことはまだないようです。
…が、実はSwitch「あつまれ どうぶつの森」に登場する家具ペナントには京都と書かれたリメイクが存在しています。その隅には社屋によく似た四角いフォルム!
Switch『あつまれ どうぶつの森』より
また、ゲーム中の登場ではありませんが、任天堂が発信する情報を見ているとたま~に社屋を目にすることもあるはず。
さいごに
京都府内の本社として使用されていた社屋は以上の5件。さらに、2027年には開発棟のすぐ近くに第二開発棟が完成予定となっています。
では、最後に各社屋の本社として使用されていた時期を1枚の画像にまとめて終わりにしたいと思います。
続いて工場編もどうぞお楽しみに!
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