任天堂 × アクワイア「つながる」エピソードがギュッと詰まった『マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ!』開発インタビュー
任天堂とアクワイアという新たなつながりで制作され、2024年11月7日に発売されたシリーズ最新作『マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ!』(Nintendo Switch)。今回はそのキーマンをお迎えし、開発秘話をたっぷりとお聞きしました。ネタバレなしなので安心してお読みくださいね。
(ニンテンドードリーム2025年2月号掲載)
※本インタビューはソフトの発売前に収録しています。
目次
単なる3D表現ではなくドット絵の魅力を受け継ぎ昇華する
登壇者プロフィール
アクワイア
古田 仁美さん
アクワイア
フレディさん
アクワイア
大橋 晴行さん
任天堂
大谷 明さん
発表から発売までのドキドキの日々
―― まずは、完全新作としては9年ぶり、リメイクからは6年ぶりに発売されました、今のお気持ちを聞かせていただけますか?
大谷 『マリオ&ルイージRPG』シリーズのタイトルとしては、リメイク作品から6年ぶりの発売となり、お待ちいただいたみなさん、そしてNintendo Switchで遊んでくださっているみなさんの手に渡るようなものが作れて、本当にうれしく思っています。また、それを手がけてくださった開発のアクワイアさんにも感謝しています。
同時に、今までアルファドリームさんで開発していただいていた部分が、アクワイアさんに変わったという大きな変化。もちろん、いいものに仕上がっていると自信を持っているのですが、みなさんの反応がすごく気になっているのも事実ですね。
大橋 完全新作として9年ぶりというプレッシャーもそうですし、開発会社が変わったということもあり、どういう風に受け入れられるのかなというのは、とても気になった部分ですね。やっぱりファンも多いシリーズですし、不安と期待が入り混じった、そういった心持ちといったところです。
―― 発表されてからはファンの期待も膨らんでいましたから、やはりプレッシャーは大きかったのですね。
フレディ 私は海外からの情報もたくさん見ていて、ポジティブなご意見が多いので、すごく楽しく見ています。
―― アートやアニメーションは動画でも伝わりやすいですもんね。
古田 おっしゃるように、アートやアニメーションは映像で伝わる面がかなり多くて、6月のNintendo Directでの発表後から、一足先にユーザーさんの温かい声をいただけているような気持ちになりました。実際に発表されるまでは不安も大きかったんですけど、みなさんの反応を見ることができて少しホッとしました。
大谷 コネッタやタップーなどオリジナルキャラも好意的に見ていただいて驚きました。過去作を振り返っても発表時にそんなにすぐ反応いただくことはなかったですし。
古田 数秒くらいしか映ってなかったのに、よく見てくださっていてありがたかったですね。
らしさにこだわる 3Dの方向性のきっかけ
―― やはり大きな挑戦となったのは、3Dでの制作という部分になるかと思うのですが。
大谷 『マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX』の次のことは社内でも長い間検討していて、新作はNintendo Switch向けでと考えていたんです。そのときから3Dでという考えはありました。また、リメイクを制作している当時から、ずっと私たちの中で、ゲームの中のドット絵と、パッケージのイラストなどゲーム外の絵とイメージが乖離しているな、と感じる部分があって。その結果、ユーザーの方に認知されにくいのではと考えていました。
たとえば「ペーパーマリオ」の場合は、ゲーム中もイラストの絵も「ペラペラの紙」という共通のイメージがあるので、ユーザーの方は認識しやすいのかなと想像しています。ですので「マリオ&ルイージRPG」も、いつかは両者を合致させるような表現をゲームの中でもやりたいね、という話をしていました。
―― パッケージのイメージをそのまま動かしたいという思いがずっとあったのですね。
大谷 そうです。担当者としては、特にそこを重視していて、今回はぜひ今までのパッケージアートに使われたマリオとルイージをそのまま動かしたいと。ただ、やはりこれまでドット絵でやってきたことを3Dでやるのはすごく難しくて。
どうしようかと悩んでいるとき、アクワイアさんとお会いする機会がありまして。アクワイアさんだったらRPGもアクションも、どちらのゲーム開発経験もおありなので、本作の開発をお願いしたいとなりました。
―― アクワイアさん側は、そういった話を聞いてどう思われましたか?
古田 今までのパッケージのイラストの印象を3Dに落とし込むことに加えて、「ドット絵のアニメーションの魅力」をいかに受け継ぎながら昇華するかというところにハードルの高さがありました。ですので、アートチームはもちろん、モーションの担当たちにも、過去シリーズのドット絵をかなり観察してもらいましたよね。
フレディ アニメーターひとりひとりが過去作の研究をして、シリーズを一から徹底的に見なおして、「ここはこの動きだったよね」といったものを3Dで再現できるように考えていきました。
―― 今までのシリーズの動きを継承していこうという意識が大きかったということですか?
フレディ 最初からドット絵のアニメーション表現をそのまま再現してみようということではなくて。3Dのマリオということで、当初は『スーパーマリオ オデッセイ』などを目指して作っていました。
しかし、あるとき任天堂さんから「マリオ」のアクションゲームと『マリオ&ルイージRPG』は異なるテイストである、という話をいただいてから、やはりこの『マリオ&ルイージRPG』シリーズのドット絵をそのまま3Dで表現したほうがいいと考え直しました。そこからはその方向に全力でしたね。
3Dならではの可能性を広げて過去を超える
―― 3Dにするために、たくさん研究なさったんですね。
大橋 モデリングについてはがんばって作ればいいのですが、それに合わせてシェーダー(※)だったり、かなり工夫が必要でしたね。
※シェーダー…3Dの描画物にたいして陰影処理を行うこと。これにより奥行きや立体感が生まれる。
古田 キャラクターのアウトラインは苦労したところですね。ほかにも陰影色のグラデーションだったり、マリオとルイージの眉毛がちゃんと帽子の外に飛び出るようにしたり、結構細かいところにまで工夫を入れています。
大谷 アウトラインも最初のころは、ゲームアングルにするとアウトラインだけが太くなって、ほとんど見えなくなったり。パッケージイラストのままのマリオたちが、ゲームの中で動くというだけでも相当な調整と修正をしていただいて、今に至っていると思います。
―― すごく自然に見てしまっていましたが、相当な工夫があったうえで実現したんですね。
大橋 6月のNintendo Directで流れた映像の最初にルイージが出てきて、すぐに「マリルイだ!」っていう声が上がったので、それくらいゲームとアートワークの絵が一致していたのかなと。そのときはみんな大喜びでした。
―― ちなみに3D化するにあたってなにか資料みたいなものはあったのでしょうか?
大谷 新しい試みなのに任天堂からお渡しできるデータがあまりなくて。過去のドット絵の一部やポージングのデータなどはもちろんお渡ししたんですけど……。あとはゲームそのものですかね(苦笑)。ゲームソフトをお渡しして、なんとか目で見て学んでほしいとお願いしました。
―― (笑)
古田 ほかにも『マリオ&ルイージRPG4』の巨大化バトル用の3面図やモデルデータなども参考にいただいていたんですけど、ここはこうなるんじゃないかな、みたいな感じで私たちも勉強の日々でした。
大谷 とても大変なことをお願いしたのですが、見事に仕上げてくれました。
―― やはり3Dでというのは大きな挑戦だったのですね。
大谷 アートがドット絵から3Dになるということだけでも挑戦でした。アクワイアさんは『オクトパストラベラー』でHD-2Dの開発もやられているので、もしかしたらその線で作るという可能性もあったかもしれないです。
ただ、大橋さんとお話を重ねるなかで、アルファドリームさんのドット絵を持ってくるのは無理だ。同じ路線で表現するのは、とても難しい。という話もありましたので、じゃあやっぱり3Dでやるしかないよね、と腹をくくりました。
大橋 当初からアートワークを3Dモデルで表現するというのは、おそらくできるだろうなと。楽観的ですが、そう思いました。それとは逆に、ドット絵をそのまま活かす方向は、ちょっと厳しいなと。
本当にそれくらいアルファドリームさんのドットのアニメーションがすごかったんですよ。なめらかで、表現豊かで。なので今回私たちは、3Dに挑戦したうえで、それが動くおもしろさだったりとか、遊びだったりとか、そっちを追求していくほうがいいんじゃないかなと思ったんです。また、3Dのほうがうまくやれば、できることも広がるかもしれない、とも思いました。
島つなぎという遊びから始まった『ブラザーシップ!』
島をつなげるという遊びからすべてが始まる
―― 3Dでというのが決まって、その後はどういった形で本作の内容が決まっていったのでしょうか。
大谷 いざスタートという感じでお会いしたときに、すぐ大橋さんから提案されたのが、「島と島をくっつける」という遊びが書かれた企画書だったんです。
―― 最初から島と島をくっつけるというアイデアだったのですか。
大谷 私だけじゃなくほかにも任天堂のスタッフがいたんですけど、最初はなんじゃこりゃ(笑)と。でも、いただいたものをちゃんと読んでみると、流れとか、こういう風に遊ばせてとか、そういったことがしっかり書いてあった。
それで、これはちょっと任天堂のスタッフだけでは生まれなかったアイデアだなって思い、すぐ試作に進んでみる? みたいな感じでした。実際はもちろんそのあとにも紆余曲折はあるんですが(笑)。
―― (笑)
大橋 まぁ、島がどんどんくっついていくって聞くと、確かによくわからないですね(笑)。
大谷 そのときは今といろいろ違っていて、マリオたちの目的も大渦をスポッと埋めるみたいな感じでたし、島同士をくっつける手段も最初は虹でしたし。
―― 大渦を埋める?
大谷 もともとの案は、島をくっつけていくと、当然くっつけた島が大きくなっていくじゃないですか。だからその大きくなった島で、海にあいた大きな渦を埋める、みたいな内容だったんです。
―― 最初は本当にくっついていく予定だったんですね。
大谷 でも、その渦にペタッてなるシーンがうまく浮かばなかったんですよ。
大橋 実際に本当に島がくっつけられるのかって考えたんですけど、う~ん、無理だわって。
古田 遊ぶフィールドの地形もくっついて変化してとなると、どうやって成立させればいいんだろうって悩みましたね。
大谷 といった感じで、まずは島をつなぐという遊びの発想から制作がスタートしました。
マルチな展開はアクワイアだったからこそ
―― 最初に「島をつなぐ」という遊びがあって、そのあとにストーリーなどですか?
大谷 そうです。やはりお話ありきではなく、まず遊びという部分が重要です。過去作もまず遊びがあって、次にお話を作っていくという流れで、シリーズ通して変わっていません。
―― なるほど。ちなみに本作では展開の変わる選択肢が用意されていますが、あれはどういった経緯で組み込まれたのでしょうか?
大谷 これまでのシリーズにもファンの方がたくさんいますし、全部をガラッと変えてアクワイア色にするのも、もしかしたらユーザーの方にこれじゃないと思われてしまうかもしれない。
それは避けたかったので、過去作をプレイしてくれた方が『マリオ&ルイージRPG』だと思っていただけるように気を付けました。それと同時に、本作ならではの「新しい一面」にも挑戦したんです。
―― 変えすぎずに新しいことを取り入れたかったと。
大谷 フィールドとかバトルは基本的には過去作を踏襲してもらいました。クラシックではあるんですけど、その部分はそんなに崩さない。ただし、アクワイアさんが作ってこられたゲームにもある「マルチストーリー」という仕掛けをうまく組み込めないかなと。いろいろお話が変わるのってワクワクするじゃないですか。
展開が変わっていくという魅力をアクワイアさんならうまく表現できるのではないかと。そうすれば、新しい部分はアクワイアさんらしくなって、従来の遊び方とあわさることで、新しい『マリオ&ルイージRPG』になるんじゃないか。そのように考えて本作は開発しました。
―― あのマルチな展開はアクワイアさんだから取り入れられたんですね。
大橋 当時の企画書では「自分だけのマリオストーリー」としていました。今までのシリーズは、よくも悪くも一本道なんですよね。企画当初からアクワイアらしさを出したかったし、新しい遊びの提案になるかなと。それに、企画の段階では島の攻略順はもっと自由でしたしね。
―― それも楽しそうですね。
大谷 くっつけ方などで展開が変わっていく案でした。最終的に取り入れた部分もありますが、今よりもやりすぎてしまうとマルチストーリーすぎて、最終的にはひとつのエンディングに落ち着けたいのに、話がまとまらなくなるかなと。ですので、なんでもできますというところはむしろ抑えてもらいました。先程お話ししたバランスを取ったということですね。
―― なるほど。新しい試みとシリーズらしさとのバランスですね。でも、分岐は少なくてもかなり悩ましかったです。
大橋 気になりますよね。結果としてですが、絞ったことで、より選択が生きてくるなって私たちも感じました。
大谷 選択肢でどれを選んだとしても物語の大筋や、遊びとしてどちらかが不利になることはありません。でも、その後の表現などに変化があるので、ぜひ両方試して違いを楽しんでもらいたいですね。
―― 島をつなげるマルチな展開など、遊びの仕組みを考えてからようやく物語を作り始めたんですか?
大橋 正確にはいろいろ並行しているとは思いますが、大枠ではそうですね。ストーリーは私と大谷さんとディスカッションしながら、どういう展開にしようかなどあれこれ考えていきました。
大谷 プロットもいっしょに考えて。「絆」というテーマも、ゲームシステムが固まって、シナリオを考えるときに生まれました。『マリオ&ルイージRPG3 !!!』の「体内=健康」のように、わかりやすいテーマがこのシリーズらしいところですので、今回も「島をつなぐ」というテーマを作り、そこから人と人をつなげる「絆」がいいのではと。
その結果、絆をつないでいく、恋人とか家族とか、いろんな人たちが出てくるので人間関係を修復していく物語になっていきました。
アートから生まれた船島誕生のヒミツ
船ではダメだったけど島だったから……?
―― ところで、本作は電気的なモチーフがたくさん出てきますが、いつごろからそう決まったのでしょうか。
大橋 バラバラになっていた島をつなげる、テーマは絆、じゃあやっぱりそれらをつなげるイメージのあるモチーフがほしいですよね、となり……。
大谷 これも大橋さんといろいろディスカッションして、ストーリーを考えていくなかで、なにかないかと探しました。その中でプラグという発想がでて、これなら世界共通でつなげるイメージがあるのではと。
古田 あと、電気を通すといいことが起きるじゃないですか。明かりがつくとか、物を動かせるとか。そういういいイメージもあって、プラグがいいかなってなりました。
―― なるほど。モチーフが決まったらいよいよデザインも進んでいきそうですね。
古田 メインモチーフが決まるまでは、人型のキャラがほしいとか、なんかいい感じの島考えて、みたいなフワッとした検討しかできなくて(笑)。
大橋 でも当初から冒険の拠点となる島は絶対ほしいって相談してたよね。それで船島が生まれたんですよ。
―― え? 船島はデザイン先行だったんですか?
古田 そうなんです。拠点が必要だったんですけど、それが船の形というアイデアを出したのはコンセプトアーティスト側からですね。
大橋 当初から「漂流」する島が海流に乗って動いている、という設定はなんとなくありまして。その海流を渡りながら物語を進めていったらおもしろそうだなっていうイメージだけはずっとあったんですけど、拠点となる漂流島はどんな島なのかが全然決まっていなくて。
アート側からの船の形という提案がすごくよかったので、拠点となる漂流島として採用するために、いやこれは船ではなく島だと言い張りました(笑)。
古田 じゃあ船島だね、みたいな感じでね(笑)。
大谷 でも、あれが出てきたときは本当にみんな「これだ!」ってなりましたよ。話だけだと突拍子もなく聞こえるじゃないですか、「船の形をした島」なんて。
―― 驚きました。もともと船の島を作ろう! という流れかと思っていました。
大谷 拠点は自分では動かせないという仕組みが必要だったんです。自由に動かせたら「漂流」する意味がないと。だから絶対「船」だったらダメだったんです。
―― 船だと自分で動かせますもんね。
大谷 でも船?島?どっちって最初なりましたけどね(笑)。
大橋 これは島だ!と、言い張りました。
世界で通じるコンセント=顔のイメージを活かしたキャラ作り
イメージによって変わる味方と敵のデザイン
―― デザインの話題の流れでキャラクターのデザインに関してもおうかがいしたいのですが、モチーフが決まった後はスムーズに進んだのでしょうか。
古田 正式にモチーフが決まってからは、スムーズ……とは言い切れないのですが、考えやすくなりました。
―― ちなみに古田さんが最初に考えたのはどのキャラクターなのでしょうか?
古田 一番最初はコネッタだったかな?
大橋 コネッタの生みの親は古田です!
―― おお。古田さんがコネッタの生みの親なんですね。
古田 コネッタのデザインは、見てわかるとおりコンセントを顔にみたてています。コンセントが顔に見えるというのは、形が違えど世界中で通じるものではあったので、そのアイデアを具現化してみようということでコネッタを考えていきました。
そこで固まったアイデアをベースにしてNPCたちを作っていって、あとはシナリオが決まっていくにつれて、名前のあるキャラたちを作っていったという流れですね。
―― コンセントなのにほんとに表情豊かでかわいいですよね。ちなみに、味方側はプラグを挿し込まれる側で、敵は挿す側のイメージなのかなと思ったのですが実際は?
古田 結果的にそういった配分になっているかもしれませんが、あまり想定はしていな……。
大谷 かっこよく言っておいたほうがいいんじゃないの?(笑)
古田 じゃあ、よく気づきましたね!でお願いします(笑)。
大橋 いやーでも本当だ。そうなってるかも。
大谷 私は知ってたよ(笑)。
―― (笑)
古田 真面目な話をすると、表情づけがしやすいこともあり、味方側は挿される側が多いのかなと。敵のほうは過去作のいかにも悪役だと分かる目の形を踏襲していたり、尖ったものとか刺すものって悪役の造形に使いやすかったりするので、自然とそういった配分になってきたかもしれませんね。
任天堂さんらしいデザインと言いますか、機能や役割が最初にあって、それを表す形や色はなにかというデザインの考え方なので、それを優先していった結果なのかなと思います。
―― なるほど。ボルドルト隊やゾケットも個性的で、まさに悪役って感じですもんね。
古田 断ち切る悪役というのを明確に示すために、ゾケットのデザインはニッパーと切られたコードをモチーフにしていますね。
―― ボルドルド隊のモチーフが気になっているという声もありますが……。
古田 答え合わせをすると、ボルドルド隊の3人は、フォーンプラグとLANケーブルとDVIがモチーフになってます。
―― フォーンプラグとDVIはわかりやすかったのですが、あとひとりはLANケーブルだったんですね。
古田 ボルドーがLANケーブルです。一番アレンジが効いているので難問かもしれませんね。
―― マリオとルイージなど『マリオ』シリーズの登場キャラについて、意識した部分などはありますでしょうか
古田 造形面では『マリオ&ルイージRPG』シリーズらしく、マリオとルイージがもっとも『マリオ』シリーズのデザインとの差異が多く、特徴的になっています。黒い目はもちろん、ゲーム画面でコミカルな動きが映えるよう手足を大きくするなど、細かく造形を調整しています。次いでクッパやピーチ姫も、本作用の調整やデフォルメ具合に気を配っていました。
それ以外のキャラクターは、目が黒目になった以外は、おおむね『マリオ』シリーズと変わりないぐらいにしています。差のつけ方がグラデーションになっているようなイメージですね。
左からフォーンプラグ、LANケーブル、DVIの実物。たしかに似てるかも!
ほかのマリオシリーズとも異なる本作ならではの動き
本作のイメージを大切にゴムのような緩急を
―― では、アニメーションを付けるうえで、どういった差を意識したのでしょうか?
フレディ モーションまわりも基本的には「マリオ」シリーズの過去作を参考にして差別化していきました。たとえばピーチ姫は冒険好きだったりとか、勇敢な優しさとか、あと優雅さも感じる、そんな本作の特徴的なピーチ姫の一面を動きで感じてもらえるよう、とにかく任天堂さんとやり取りを重ねて、違いを表現しつつも、らしさがでるように決めていきました。
―― たしかにアクティブでかわいらしいピーチ姫になってましたね。
古田 その流れで、アクティブなピーチ姫のシーンをシナリオの段階でもっと入れ込もうとしていたこともありました。実は、張り切って衣装替えも提案しました。
大橋 そういえばあったね。衣装替えたかった。
―― それは見たかったですね。
大谷 僕も変えたい派だったんです。『プリンセスピーチ Showtime!』もありましたし。ただ本作の場合は、着替えることの必然性がなかった。着替えてなにかアクションするのかと言われると、そんなことはない。でも、なにかしたかったので、最終的にスカーフでね。
古田 シナリオの必然性を認めていただいて、グズグズ団の一員としてスカーフだけ付けさせてもらいました。
―― スカーフの一幕はぜひプレイして楽しんでほしい部分ですね。話を戻しますが、動きに関して大谷さんからは要望はしていたのでしょうか?
大谷 要望というか、最初にお話ししたように、本当に今回は参考情報として渡せるものが少なくて、結局動きについても、過去作をプレイしてもらって、目で……なんとか近づけていただきました(笑)。
―― 本当に目でなんですね(笑)。
大谷 できたものに関しては、もちろん任天堂のデザインチームや監修グループが付きっきりでチェックしていました。ただ、クオリティ自体は初期の段階からとてもよかったんです。だから、本当にすごく研究してくださったんだなと感じました。
古田 特にマリオとルイージは物量もかなり多かったんですが、任天堂さんに細かく見ていただけて助かりました。表情の豊かさ、動きの伸びやかさ、どれも見ていて楽しいものになったと思います。
大谷 私が見て笑ったのがルドルフの走り。小学生の走り方っぽい。
大橋 滑ってるみたいなね。衝撃でしたね。
フレディ あれは担当者の愛がそのまま表現されてできた動きです。担当者に自由に作ってくださいって言ったら、ああなりました(笑)。最初はダメかもって思いましたが、本人の愛がすごく伝わったので、一旦そのままにして出してみようと。そしたら、そのままOKになりました(笑)。
古田 表情付けとかも、デザイナーがおもしろおかしく描いた提案に、モデルやモーションの担当たちもすごく愛を持って応えてくれたので、非常に楽しかったです。
―― 愛ですね。ほかにもこだわりの動きはありますか?
大橋 あの伸びたり縮んだりするやつは、なんて言うんでしたっけ?
フレディ スクアッシュ&ストレッチですか?
大橋 そう、それだ。あれもやりすぎてしまうと、鼻についてしまうと思うのですが、そこはバランスよくやったなって思っていますので、じっくり見てもらいたいですね。
―― たしかに非常にコミカルでいいですよね。
フレディ 最初のころは、2Dのコミカルな表現を3Dで再現するには、昔のアメリカのアニメーションみたいに、思いっきり伸ばして思いっきり縮めるっていう表現がいいかなと思い、試行錯誤をしていました。ただコミカルではあったんですが、やっぱりやりすぎていて、任天堂さんからNGが出てしまいましたね。
―― やりすぎもまたよくないと。
フレディ たとえば、マリオが崖につかまってルイージが引っ張って登るアクションも、最初はもっと伸びてたんです。それこそルイージが地面に倒れるくらいに。でも、それはやりすぎで、コミカルに見えつつもマリオとルイージの印象を崩しすぎない塩梅にしないといけせんでした。
そんなとき任天堂さんから「ゴムみたいな伸ばし方じゃなくて、ゴムみたいな緩急をつければいい」とアドバイスしていただきました。なるほどとなり、実際に適応させて今の形になっています。
―― ゴムの緩急! なるほど納得しました。ほかの場面でも活かされてますよね?
フレディ 動きの表現全体で活かされてます。でも、1フレームずつユーザーさんが見てくれていたりするので、ちょっとヒヤヒヤしますね(笑)。
―― ちなみにマリオよりもルイージのモーションが多いように感じましたが実際はどうなのでしょうか?
フレディ マリオは大体700ぐらい、ルイージは800以上くらいでしょうか。ですので、ルイージのほうが多いですね。
―― やっぱりルイージのほうが多いんですね。
大谷 島へ移動するときの着地とかも、私は数種類のパターンでいいと話していたんですが、あまり使いまわしがないですからね。本当に愛を感じましたね。
バトルのモーションはテンポ感と分かりやすさが鍵
UIに頼らずに動きで伝える工夫
―― 続いてバトルについても聞きたいのですが、まず今回のブラザーアタックはどのように決めたのでしょう。
大谷 アクワイアさんには、過去作から5つ、新しく発案したものを5つで、計10種類のブラザーアタックを用意してほしいとお願いしました。3Dでそれを作れるの? という課題もありましたので、数だけオーダーしてアイデアを考えてもらいました。
大橋 ゲームデザイン側でその話を受けて、3Dにしてもおもしろそうなものを厳選したり、遊びを考えて、アニメーション側のフレディたちと話していきました。
―― 過去作からの選定もアクワイアさん側で決めたんですね。
大谷 あ、スピードボムだけは私が入れたかったので、それだけは別でお願いしました。それ以外はアクワイアさんで選出してもらいました。過去作を見てもらって、とてもバランスよく選んでくれたと思っています。
―― 選んだあとはどういった感じで動きを考えていくのでしょうか?
フレディ やっぱりテンポとか分かりやすさとかを重視して考えていきます。たとえばサンダーダイナモだと、ここでマリオたちがボタンを押せば動けますよ、というポーズにしたいと言われていたのですが、それだとその瞬間のフレーム数がどうしても限られてしまうんです。
細かい話ですがドット絵であれば2フレームとかでも成立するんですけど、3Dになるとカクついている動きになって、どうしても動きが固くておかしく見えてしまうし、ぶつ切り感が出てテンポも悪くなってしまう。
―― 実際には全然違和感もなく、テンポもいいですよね?
フレディ そこでアニメーター側の提案で、動きは長いフレームで作らせてくださいと。今ボタンを押せば動けますよ、という表現は残しますが、その後も動き続けるようにしました。
それだけだと、タイミングが長くなりすぎるので、アクションゲームでよくあるキャンセルという仕組みを取り入れています。動き全体のモーションは終わっていなくても、ボタンを押すとマリオたちはプレイヤーの操作に従ってその操作どおりに動くような仕組みです。
大橋 動きを無理やり最後まで見せなくてもいいんじゃない。という提案をしたわけですね。全体の動きは長いけど、ボタンを押せば次の動きに移行するわけです。
―― なるほど。違和感なく動くように長くモーションを作っているけど、途中でプレイヤーがボタンを押せば次の動きに移行できると。
フレディ あとはやっぱりボタンを押すタイミングを、動きで分かりやすく見せるという部分に一番頭を使いました。何回もブラッシュアップを重ねて、最後の最後まで時間をかけてます。
大橋 任天堂さんからユーザーインターフェイス(UI)じゃなく動きで見せてほしいとアドバイスもありましたからね。
大谷 ブラザーアタックから少しそれますが、一番最初にコンビネーションアタックを作ったときは、UIがもっと目立つ形で収縮する見せ方だったんです。
今だよっていうのは確かにすごく分かりやすかったんですけど、そうなるとみんなマリオたちを見なくなってUIしか見ないんです。これはよくないってなって。じゃあUIがそんなに目立たなくても、アニメーションでちゃんとタイミングが分かるようにしたいなと。その部分をアクワイアさんに考えていただいて、すごく時間をかけましたね。
―― 確かにUIでも分かるのですが、本作はマリオたちの動きを追うことでかなりタイミングが分かりますね。
大谷 アニメーションはマリオやルイージ、そして敵を見ているだけでも飽きない本当にいいものに仕上がったと思っています。
―― 敵のアニメーションも同じように作ったのでしょうか? 数も多いし、攻撃の予兆とかも膨大ですが……。
フレディ 敵は敵のモーションを作る専門のチームがいます。そこにゲームデザイン側から、こういう攻撃をしたいので、これくらいの動きでみたいな指示が出されます。指示自体は簡単な丸い図形みたいなものなので、あとはアニメーターたちが自由にアイデアを混ぜていき、このキャラクターだったらこの動きがそれらしいよね、みたいな感じで作っていきました。
大橋 キャラクターの性格とか見た目とか、そういったところからこういう動きが合いそうだよね、という演技付けをしていくイメージですね。
―― 動きを付ける際に敵のデザインとかは先にあるのですか?
古田 デザイン先行が多いですが、並走に近い場合もありました。まずは攻撃方法や、機能の指示があり、デザイン側でそれを表す造形を考えて、モデルやモーション側で動作を実現するみたいな流れです。デザイン側からこんな動きがいいのではといったメモを添えることもありますが、それを汲んでもいいし、よりよい動きに変えてもいいよ、という形でした。
フレディ そういった形で自由度があったので、アニメーターたちそれぞれの愛がすごく反映されています。どこにも書いてないし、求められてないんですけど、なんかどんどんそのキャラクターらしい動きになっていくみたいな勢いがありました。それが結構採用されて、実際にゲームで反映されています。
古田 結果的にはかなりいい解釈になったと思ってます。
―― すごい一体感だったのですね。
大谷 最後のほうに「とあるクイズ」があるんですけど、それも「動き」が重要になるので、本当にじっくりと、動きにも注目してもらいたいですね。
自動追尾から生まれた「ルイージセンス」
ルイージの役割と兄弟感を重視して完成
―― ルイージについて聞きたいのですが、まずはルイージセンスができた経緯についてお願いします。
大谷 本作のフィールド移動では、マリオがAボタンで段差を飛び越えたときに、Bボタンを押さずともルイージが自動でジャンプして追尾してくれる、という提案をアクワイアさんがしてくれました。そうなるとルイージを操作する機会が以前より少なくなってしまいます。
ですので、自動追尾してもいいけど、ルイージをちゃんと使う機会は設けてほしいとお願いしました。そうしないと、ルイージの役割がただ減っているだけになってしまいます。ルイージは自動で動いているけど、なにかを発見したり、マリオのフォローをしてくれる。そういったアイデアを詰め込んだ結果が「ルイージセンス」を生み出しました。
―― 自動追尾にしたことがきっかけなんですね。私はとても移動が楽になり助かりました。
大谷 実は当初、私は反対していたんですよ。AボタンとBボタンを使わないなんて『マリオ&ルイージRPG』じゃないって。でも好意的にとらえていただけているみたいなので、一安心です。
―― しっかりついてきてくれますし、離れすぎたときのリアクションもまたいいですね。
大橋 距離感についてもいろいろ議論しました。試作のときはもっとずっと離れて行動してもOKでした。
最終的に一部残しましたが、ワイプでルイージようすを見つつ、自分は違うことをして謎を解くという遊びにしていたんです。でも、ずっとプレイしていると、なんかちょっと離れすぎてて兄弟感が不足していると感じてしまって。やっぱり見える範囲の中で行うのがいいよねってなりました。 試作中、こういった話をたくさんしましたよね。
大谷 どうしても離れる場合には、兄弟感を出せるアクションとしてルイージセンスを使おうと。
大橋 レベルデザイン的な話だと引っ張って登る段差があれば、兄弟そろわないと先に行けないわけだから、離れていたとしても結局は迎えにいっていっしょに乗り越えなければならない。だから、離れすぎていてもいいんじゃないかと考えていたんです。でも大谷さんから、なんか兄弟感がないと指摘があり、確かにとなり、調整しました。
頼れるルイージは見直しから生まれた
―― 確かに今回は兄弟感も強く感じましたし、頼りがいみたいなものも感じました。
大谷 開発としても『2』のときにルイージをいじりすぎたと思っていて、『3』から見直しを始めたんです。
そのうえで今回特に気をつけたのは、自分がドジを踏む分にはいいが、誰かがなにかをしてルイージに被害が及ぶ、というのは極力少なくしようということでした。なるべくルイージ自身が失敗するなどの形で、ほかのキャラクターが介入しないようにして、ルイージらしいリアクションを残しています。それがルイージセンスなどと相まって頼りがいを感じたのかもしれません。
―― 納得しました。そういえばストーリーの中でルイージセンスなどの能力が開花した理由もありましたね。
大橋 単純な便利機能というだけじゃなくて、物語終盤でルイージセンスが種明かしされる展開がいいんじゃないかと、大谷さんとディスカッションしてああいう形で落ち着きました。
―― あそこで明かされたことで、すごくなるほどって納得できました。
大谷 モヤモヤしたまま遊んでいて納得できなくなっちゃうと、急に集中力ややる気が損なわれるというか。なんでだろうと感じたときに、こういう理由があったんだね、というのはゲーム中でもちゃんと分かるようにしたかったので。
はみだしエピソード
物語の方向性はちょっぴり大人向け
―― 物語については多くは語れないと思いますが、方向性のきっかけはどんな所にあったのでしょうか?
大谷 大橋さんからストーリーは少し大人向けにしたいという相談がありまして、それがきっかけかもしれません。
過去のシリーズはどちらかといえば、どこかのほほんとした世界を描いていたのですが、近年はマリオの映画も公開され、ドラマチックな展開を期待されてもおかしくないかなという点もありました。特に中盤から終盤にかけては怒涛の展開となっていますので、ぜひ実際にプレイしてみてください。
―― 確かにちょっと大人向けに感じました。なんというかちょっとゾクッとするような面もありますし。
大橋 私は当初からそういうのもやりたかったんですよ。ちょっと怖いけどポップみたいな感じ。
古田 たしか任天堂さんのデザイン担当の方と話し合って生まれたアイデアだったと思うのですが、「とあるもの」に笑顔の目をつけているんですけど、怖くないのに余計怖くも見えるのがまたいいなと。そういう部分はこのシリーズらしいのかなと思います。
ワンダーになっていたかもしれないタイトル
―― 実際にプレイするとゲームにとてもマッチしたタイトルだと感じていますが、最初から考えていたのでしょうか?
大谷 タイトルはもっともっとあとになってから考えました。
大橋 いやぁ、我がことながらすごくいいタイトルですよね。
大谷 実は最初のころは、ワンダーってつけたかったんです。『マリオ&ルイージRPG ワンダー』みたいな。でも、作っている間に『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』が先に出ちゃったので、使えないですよね(笑)。
そこで、任天堂とアクワイアさんで、もうとにかくいっぱい案をだしたんですけど、最終的にアクワイアさんからのいくつかの候補の中に「ブラザーシップ」という案がありました。シップの意味には、もちろん船があって、これが兄弟の拠点・船島を指すわけです。それとは別に友情という意味でフレンドシップみたいに使うじゃないですか。
じゃあ兄弟の絆だったらブラザーシップか、みたいなダブルミーニングになっていて、「これだ!!」ってなりました。本当にばっちりハマったこともあり、いつもは北米や欧州で発売する際にタイトルが変わることが多いのですが、今回は同じタイトルになってます。
開発陣への一問一答!
あなたの好きな島&岩礁は?
大谷 好きな島は「クラゲ島」。実は開発初期にできていたのですが、綺麗でワクワクした思い出。あと、のんびり楽しく過ごせそうなので。岩礁は「しんぴのとぐろ岩」一択。これは出していいのかをかなり迷いました。明らかにアレにしか見えませんし。マリオのゲームでOKなのかというチャレンジでした(笑)。
大橋 「フレイーム島」です。特にクッパ軍団の3人と遭遇するシーンがお気に入りです。岩礁はタワークリボーがモチーフの「アブナッカシ岩」が気に入ってます。クリボーはかわいいものです。
フレディ ツイス島です。BGMも観光地の雰囲気も好きです。 岩礁は「ロック・オブ・ザ・プリンス」です。 あの ドヤ顔と髪をかき上げるたびに画面が光る演出、今でも覚えています
古田 「サビレッタ島」&「ゼニアレバー島」ですね。ゼニで廃棄されたハコ型建物をサビで再利用している、というイメージで構成しています。岩礁は「ファミリ岩」。最初の案では生身のペンギンでした。ファンの方々に贈るアレ達もお気に入りです。
好きなブラザーアタックorアクションは?
大谷 アタックは要望で入れてもらった「スピードボム」を推したいところですが、ヨッシーがかわいく、しかもお手軽で強い「どっちかエッグ」ですね。アクションは、「ブラザーボム」です。破壊系でもちょっと特別な感じがします。エンカウントでもおすすめです。
大橋 「フラッシュクロック」ですね。カッコイイ&気持ちいい!気分をアゲたいときにもどうぞ。
フレディ 「スピードボム」です。フィニッシュの気持ちよさが格別です。
古田 アタックは、強くて頼れる「はね〜るメット」です!プラグの「かってにエクセレント」でさらに安心。アクションは見た目が愉快な「UFOスピン」。任天堂さんと何度もやりとりしてこの形に落ち着いたので、思い出深いです。
ランクアップ時に優先する能力は?
大谷 アクセサリーが豊富なので、「ぼうぐスロット+1」が鉄板。マリオは、「SPEED成長+」で先制を取れるようにするか「POW成長+」のどちらか。ルイージは、「HP成長+」「DEF成長+」でやられにくくするか、「HIGE」が高いので「HIGE成長+」でラッキーヒットを出やすくするのも手だと思います。
大橋 「サクサクレベルアップ」です。レベルアップ優先!
フレディ 「ぼうぐスロット+1」です。いっぱいアクセサリーを作ります。
古田 まずは「サクサクレベルアップ」! 強くなりたい。
根底は変えていない。でも新しい『マリオ&ルイージRPG』
見どころと読者へのメッセージ
古田 シリーズから受け継いだいつもの『マリオ&ルイージRPG』と、本作ならではの「新しい冒険」の両面を、懐かしくも新鮮な気持ちで楽しんでいただけたらと思います。
愉快でクセの強いキャラたちと繰り広げるドタバタ劇になっていますので、たくさん笑って驚いて、ぜひ最後まで旅を楽しんでください! きっと、心に刺さります。
―― コネッタの生みの親としての注目ポイントもお願いします。
古田 コネッタの耳元にある大きなプラグは堅いので、手を大きく動かすときにぶつからないよう、こっそり引っ込むように作ってます! 注目してみてください。
―― 続いてフレディさんお願いします。
フレディ 2Dから3Dに変化したことが、結構ポジティブに受け入れられているので、とてもうれしく思っています。本作は走り回るマリオとルイージたちを見ているだけですごく楽しい気持ちになれる、そんな雰囲気と世界観になっているので、ぜひ気軽に楽しんでいただけたらなと思っています。あとサブエピソードもオススメですので、島を行き来してたくさん遊んでもらえたらうれしいです。特にクッパJr.関連のお話が一押しです!
―― 動きの部分でのおすすめは?
フレディ やっぱりルイージの動きでしょうか。本作のルイージは過去シリーズと違ってひとりで冒険に出たりするので、今までの臆病だったり、少し頼りないような部分を抑えて表現しています。いろいろと試行錯誤した結果、ルイージらしいかっこよさを表現できたと思っていますので、ぜひ楽しんでください。
―― 続いて大橋さんお願いします。
大橋 いろいろ変わっているように見えるかもしれないですけど、根底はいい意味で変わっていないので、シリーズファンの方にも安心して遊んでいただきたいと思っています。そのうえで『ブラザーシップ!』らしさというのもきちんとありますので、その新しさも感じながら楽しんでいただけたらうれしいです。本作ならではのコミカルさもあると思いますので、シリーズ未経験の方もぜひ遊んでみて、その違いを楽しんでほしいですね。
―― 最後に大谷さんからお願いします。
大谷 長く期間が空きましたが、その分自信を持ってみなさんに楽しく遊んでいただける最新作になったと思います。大橋さんが言われたように、もちろん3Dになったことで変わった部分はあるのですが、触ってみるとこれはちゃんと『マリオ&ルイージRPG』だというのが、すごく伝わると思います。
ですので、過去作からプレイいただいてる方は、みなさんに初めて発表したときの驚きと同じくらい楽しんでいただけると思いますので、ぜひプレイしてみてください。また、本作は程よいアクション、程よい謎解き、難しすぎないゲーム性というイメージで作っています。誰でも遊べる「RPGの入門」としてもしっかり遊べるものになっていると思いますので、初めて遊ぶ方も安心してプレイしてください。
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<商品概要>
発売日:2024年11月7日(木)
対応ハード:Nintendo Switch
価格:パッケージ版 7,128円(税込)/ ダウンロード版 7,100円(税込)
ジャンル:アクションRPG
CERO:全年齢
プレイ人数:1人
▶︎公式サイト
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