バディミッション BOND 開発者インタビュー #3 熱狂は留まらない
物語の核心に迫る!! ヒーローたちの熱い秘話
最高最大のバディの瞬間を捉えたパッケージイラスト
—— 今回はルークとアーロン特集…ということで、パッケージイラストにまつわるお話をぜひ!
中山 実はパッケージイラストのルークとアーロンには、ひとつ仕掛けたことがあります。皆さんお気づきかわかりませんが、これはゲームの最終局面のとある場面を表しています。
—— なんと! パッケージイラストはあの最後のシーンだったのですね!?
中山 …と核心に触れる前に、パッケージ制作のよもやま話を順を追ってご説明しますね。本作は任天堂から発売している商品なので、パッケージの構図は任天堂が検討しつつ、村田雄介先生に描き下ろしていただいたんですが、一番最初に考えていた構図案は没になった経緯があります。現在のパッケージは、第二の案なんですよ。
杉原 確か、最初の案は、ルークとアーロンが瓦礫の上に乗って、手を伸ばしあう構図のものでしたね。
中山 そうですね。パッケージデザインを担当した弊社のデザインスタッフは男性なのですが、彼もゲームをよく理解してくれて、最初の案は本作の「手を繋ぐ」というテーマを表現した案でした。分断されている2人が手を伸ばしあうという構図に加え、アーロンの凄みのきいたビジュアルのせいかわかりませんが(笑)、初見で見た時に、ルークとアーロンが味方同士に見えづらかったので、「堅い絆で結ばれた2人である」点が伝わりづらく、「敵対している者同士が助けあっている場面…?」みたいな印象になってしまっていたんですね。それで、いったん却下になりました。
杉原 最初の案も、ゲームを全て知ったうえでなら、十分理解できるものだったと思います。ただ、初見の方の目線からだと、誤解を招く恐れがあるということでしたね。
中山 はい、そこが課題だったポイントでしたね。それで考え直す流れになり、パッケージイラストを見た時に、初見の方でも確実に「味方同士で息の合ったタッグである」さまが伝わる形で、ルークとアーロンの一体感が感じられる構図を練り直そうと。それが現在の案になりますが、私としては、コンセプトとしてそれだけだとちょっと面白みに欠けるな…となぜかその時に思いまして、あることを仕掛けたいとデザイン担当者に伝えました。何かというと、ネタバレに踏み込みますが、ゲーム本編をクリアした方が、改めてパッケージイラストを見返した時に、「これ…よく見たらラストのあのシーンにそっくり!!」と、気づくという驚きのある形にしたい、というものです。ゲームを始める前から、すでにパッケージの前面に、本作のラストシーンが描かれていた。まさかそうだとは思っていなかった! …といった遊び心を、勝手ながら仕込みたいと思いました。
—— プレイし終えて改めてパッケージを眺めると…この2人のバディへのまた違った想いが溢れますね!
中山 具体的には「口笛が聞こえたらルークがおすわりして、その背後からアーロンが攻撃する」構図、つまり、ルークとアーロンが本作の最後に魅せる「最高最大のバディアタックの瞬間」を、パッケージイラストにこめたいと考えたんですね。だから、デザイン担当者にもラストのシーンのムービー素材を見せて、あのシーンを彷彿とさせる構図を考えてもらいました。そこに村田先生の唯一無二の画力が加わって、初見の方にもわかりやすく、ゲームを全てプレイし終えた方にとっても意味を感じるイラストに仕上げた…というのがパッケージのルークとアーロンの裏話です。
こだわりのワイルド×セクシー!? ビリビリファッションの美学
—— ところで…ずーっと気になっていたのですが、アーロンの服は、なぜあんなにビリビリなのでしょうか?
杉原 村田雄介先生が、こだわってデザインしてくださったからです。開発チームからはシンプルな白シャツでご提案していたのですが、「ワイルドさを強調するためにも、裂きたいです!」と熱弁してくださいました。
中山 村田先生はきっと、もうちょっとアーロンをセクシーにしたかったのかな。デザイン上の露出が多かったので…少し悩ましかったです(笑)。
杉原 そのようにご相談したところ、村田先生が良い塩梅を探してくださり、その結果、あの絶妙な裂け具合に落ち着きました(笑)。