バディミッション BOND 開発者インタビュー #4 サイドエピソード

contents
#1 京と紅玉
#2 誌面上のランデブー
#3 熱狂は留まらない
#4 サイドエピソード
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熱狂が留まらぬ『BOND』開発のアナザー秘話

ズバリこれが『BOND』の世界! タイトル画面のイラストの逸話

―― 『BOND』のタイトル画面にもなっているイラストの4人の潜入服はゲーム中のものとは少し異なりますが、これにはなにか理由があったりしますか…?

杉原 この件についてはCGディレクターからコメントを預かっているので、お伝えしますね。

(CGディレクターより) 企画初期、村田先生に『BOND』のテーマやコンセプトをお伝えして、ご制作いただいたイラストです。CGチームをはじめとする制作陣が、本作の世界観について意識共有するために、「『BOND』とは、ズバリこうだ!」というのが1枚で伝わるビジュアルが必要でした。つまり、もとは内部用のコンセプトアートだったんです。しかし、村田先生から頂いたイラストがあまりに魅力的で、まさに『BOND』を体現する内容だったため、そのまま本作のタイトル画面を飾るメインビジュアルとして使わせていただくことになりました。前述の通り、企画初期のイラストなので、ゲーム中の設定とは少し異なる箇所があります。キャラクターの髪型や服装などがそうです。イラストを依頼する上で、難しかったのは、「ブロッサム」の街のイメージをお伝えすることでした。ブロッサムは「『和』が取り入れられた歓楽都市」、という設定ですが、和の割合が高すぎると一気にファンタジー風の都市になるため、落としどころが難しかったですね。村田先生に色々と要望をご相談し、お手数をおかけしたのではと思います。頂戴したイラストでは、近代的なビルと和の建築が違和感なく共存しており、オリジナリティと同時に親しみも感じました。ユーザーの方々にとっても、ワクワク感がありつつ、想像を広げやすい舞台になるだろうと確信した瞬間でした。いち推しは、村田先生のアイデアである「烏天狗の像」です。アーロンが足をかけている像ですね。ラフを拝見した時、チームから「かっこいい!」と声があがったのをよく覚えています。

―― この絵には『BOND』の世界観がぎゅっと詰まっていますよね。特に「ヘリコプター」は物語でも重要な要素の印象でした。

中山 コーエーテクモさんがおっしゃっているとおり、まだシナリオも仕様もぼんやりとしていた超初期に、商品コンセプトを先生にお伝えして、描いて頂いたものです。先生が描いてくださった「ヘリコプター」は、ゲーム終盤で発生する重要なイベントシーンに使用されましたが、このイラストを描いて頂いた当時はまだ、終盤のシナリオはまったく出来上がっていなかったと思います。なので、全てが完成した今、改めてこのイラストを見てみると、村田先生によって「ヘリコプター」が偶然このイラストに描かれたことで、無意識のうちに我々開発スタッフがインスパイアを受け、終盤のシナリオ制作に影響を及ぼしたとも言えますね。ある意味、予言的なイラストだったとみることもできるかもしれません。

元はコンセプト画だったというタイトル画面のイラスト。よく見ると、アーロンのスーツが破れてなかったり、ルークやチェズレイの髪型が違ったり。モクマさんは…謎めいています。現行デザインよりも、みんなちょっと大人びていてシックな印象ですね

潜入コーデのこだわりについて
潜入時にCGモデルでも表現されるBONDメンバーたち。インタビュー第2回の中でも造形についてご紹介しましたが、今回は潜入時の服装デザインのこだわりについてをCGディレクターさんに聞いてみました!
 (CGディレクターより)「潜入」という仕様が決まった時に、ぜひ衣装を変えてエージェント感を出したい、という話になりました。エージェントといったら、やはりスーツ! ということで各所の意見が一致し、黒スーツをベースにした衣装を考案していきました。ルークとアーロンは比較的スタンダードなスーツ、モクマとチェズレイはキャラクター性を強く出した形状にして、メインバディ同士で対比が出るようにしています。黒ベースですが、シックになりすぎないよう、「潜入らしさ」と「画面映え」のバランスを取っていくのが難しかったですね。キャラクターらしいモチーフを入れることも意識しました。ルークの背中の星、アーロンのジャケットの爪痕、モクマの上着の柄、チェズレイのブローチなどが該当します。普段と少し変わった印象を与えたいという意図があり、ルークやチェズレイは髪型も変えています。モクマは口元を隠すので、ミステリアスさが増しますね。

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