『ドラガリアロスト』2周年インタビュー!岡田ディレクターに訊く再始動のVer.2.0
あのシナリオはどうやって生まれたの? これまでのイベントについても振り返る!
――これまで『ドラガリ』ではたくさんのイベントも実施されてきましたが、それらを振り返って特に思い出深かったイベントはありますか?
岡田:
今年の3月からはイベントごとにテーマ楽曲を作っていて、どれも思い出深いです。その中でもユーザーさんからの評判が高く、シナリオチームもいろいろ提案してくれてできたイベントということで1つ挙げるとすれば、8月に行った『デッドエンドアイランド』ですね。1日1キャラずついなくなっていく、いわゆるデスゲームみたいな形のイベントでした。シナリオチームの方から提案をもらい、シナリオの更新もそれに合わせて1日ごとに行っていったので、ユーザーさんの方も毎回「ストーリーが気になる」、「次は誰が死ぬんだ!?」とか、「考察が捗って楽しかった」と言っていただけましたね。
――あれは衝撃的というか、僕も思い出深いシナリオなんですけど、キャラクターが死んでいくのがショックなんですよね……リュカが1日目で死んじゃった! とか(笑)。次は誰が死ぬ? やめてくれ! とか、ドキドキしてましたね。
岡田:
(笑)。
――またあれも、第2弾を考えられているような感じの終わり方でしたよね?
岡田:
……(笑)。
――期待してます!
岡田:
はい。
――曲の方についても今年の3月からいろんな楽曲が用意されていますが、アーティストさんなど、どうやって決められているんですか?
岡田:
まずどういうイベントをやるかを決め、このイベントに最適な曲ってどういうものだろう?と音楽の担当と一緒に考えて、そこからアサインしていく感じですね。MADKIDさんの作られた『Get up』のような熱く燃える音楽もあれば、青木志貴さんの『ステルスダンス』のようなちょっとミステリアスな曲もある。色んなテイストの曲を、いろんな形で出していきたいですね。
――楽しみです! どれを聴いても『ドラガリ』の世界観に合致しているのが凄いですよね。
岡田:
そうですね。音楽を担当する方やコンポーザーさんなどは、作中で何曲か担当していただくことが多いので、根っこの部分では『ドラガリ』につながっているかなと思ってます。
――また、これまでの他作品のキャラや世界観が登場するイベントに関する思い入れや反響もお話しいただけますでしょうか。
岡田:
どのイベントも、他作品の原作ファンの方々には楽しんでいただいたかなと思っています。一番大事にしたかったのは、原作をちゃんとリスペクトすることと、原作ファンが「ここは守ってほしい」と思うポイントをちゃんとおさえた上でやるということでした。
――それは、原作のスタッフさんなどの助けも借りながら作っていった感じなのでしょうか?
岡田:
もちろん一緒にやらせていただいてる会社さんの監修はある形でやるのですが、原作スタッフさんが張り付いてやるということはないですね。こちらのスタッフに原作を好きなスタッフがいたり、「今回このイベントをやるに当たって、改めて原作をプレイしよう」ということをしたりはしてきました。例えば『ロックマン2』をスタッフ全員でクリアしましょうとか(笑)。
↑ロックマンは竜化せず、代わりにラッシュに乗って戦います。
――そうすると、今まで『ロックマン』触ったことなかったスタッフさんも原作に触ることになるわけですね(笑)。それは楽しそう!
岡田:
そうですね。その上で、「じゃあ次のクエストのボスはどういう動きをした方がいい?」といった部分を相談してる感じです。
――UIもすごく凝っているのがびっくりしたんですが、そういった提案はどちらから?
岡田:
基本的には、こちらからしてますね。UIもなるべくオリジナルのものを『ドラガリ』のUIに合わせ、ゲームに支障がないように、雰囲気がわかるようにすることを目指して作っていきました。
――力の入れ方にびっくりさせられます。特にリオレウスと戦ってて、「あ、これ原作の『モンスターハンター』で戦った通りだ!」って思いましたもん(笑)。
岡田:
そうですね、そういうところにもこだわっていて。『ドラガリ』のボスって基本としてはタイムラインみたいなものがあって「この行動の次はこれをやる」というのが決まっているんですが、リオレウスに関しては「『モンハン』ではそういう動きはしないよね」というところで、なるべく原作の動きに合わせましたね。
↑通常のリオレウスはもちろん、「黒炎王」の二つ名を持つリオレウスも登場!
――部位破壊もできて楽しかったです。
ちょっとお話が変わってしまうんですが、『ドラガリ』は任天堂さんとCygamesさんの共同で開発されていますが、今の状況として、その関係に変化などはありましたか?
岡田:
関係は変わらず、任天堂さんと共同でやっています。ただ運用に関しては、ある程度Cygamesの方で舵を切らせていただいていて、僕らの方から「こういうことやっていこう」というところに対して、任天堂さんと協議してやっていっているという感じです。国内に関してはCygamesの方が主体になる形を取っていますが、海外に関しては任天堂さんを主体とした形で運営しています。制作に関しても、基本的には両社の意見を入れながら行っています。
――海外の展開のお話で思い出したのですが、前のディレクターさんのときは、「海外の行事もどんどん『ドラガリ』のイベントで組み込んでいきたい」という話があり、これまでも春節やイースターのイベントがありました。今後もそういったイベントを作られていく予定はありますか?
岡田:
現状では、特にどの地域を意識したイベントを作ろうというのは、そんなに考えてはいないです。地域を意識するというよりも、『ドラガリ』自体の世界をどう広げようか?というところの方が比重としては大きいなと思っています。
――なるほど! では今後も、『ドラガリ』の世界に浸るためには、イベントへの参加が重要ですね!
岡田:
(笑)。そうですね、そこだけに比重を置いてしまうと、ついていけなくなるユーザーさんも増えてしまうので難しいのですが、もちろんイベントも参加していただいた方が、『ドラガリ』の世界というものを十分に楽しめると思います。過去に行ったイベントも、期間が経てば復刻してプレイできるようになりますので、イベントでもぜひ『ドラガリ』の世界観を楽しんでいただければという感じですね。
――イベントも現状、ストーリーを深めるイベントや、気軽にできる季節ものなど、すごくバランスよく取り入れられていると感じます。
岡田:
そうですね、そこは意識しています。明確な敵がいたり、組織があったり、そこにキャラクターの成長があったりとか、悲しいことも起きれば、喜びもおきる。そういったシリアスなものがある一方で、ちょっとハチャメチャ感の強いイベントもあるなど、バランスよくやっていこうと思っています。
――「迎撃戦」という新しい形のイベントも始まりました。あちらの反響はいかがですか?
岡田:
「迎撃戦」に関しては、徐々に、回数を重ねるにつれて、ユーザーさんがストレスなくやれるイベントになったかなあと思いますが、まだいろいろ改善できるところはあるかと思っています。もう少し、やり応えというものを感じられるようなものにはしていきたいですね。ただ、いつものレイドボスや、難易度が高めのボスを出すのではなく、ちょっとプレイ感が違うものを出していきたいですね。
↑10月19日14:59まで開催の「迎撃戦 ハロウィン・ゾンビーズ」はハチャメチャ感あふれる(?)イベントストーリーも見所でした!
エンドユーザーにもより刺さっていくコンテンツを。これからの『ドラガリ』への抱負を語っていただきました!
――2周年の方に話は戻りまして、いま実際にユーザーさんの反応をご覧になって、感じられたこととなどお聴きしたいです!
岡田:
今回のアップデートは、本当に大規模な改修でしたので、ユーザーさんにもだいぶ負荷を与えてしまう形になってしまって、そこに関しては本当に申し訳なかったなと思っています。しかしそれを乗り越えていただけた先には、より新しい遊びをご用意できたかなと思ってますし、今まで『ドラガリ』で遊んでいただいていた方の多くが途中で止まってしまっていたものが一気に解放できるようになったと考えています。高難易度のクエストもソロプレイで遊びやすくなったおかげで、「遊びの幅が広がって嬉しい」というユーザーさんからのご意見多く、Ver2.0に改修して良かったなと思っています。
――今回のことを手応えとしてつかんで、これをもとにまた調整を加えていくということでしょうか。
岡田:
そうですね、そう考えています。ただ、コアユーザーさんの方にとっては、まだ物足りないだろうなとは感じています。もっと難易度の高いものや、やり応えのあるものが欲しいと感じていらっしゃると思いますので、そういった要望にもお応えできるよう、11月末にはアギト叛逆戦」に新しい難易度として「絶級」を追加したり、新コンテンツの「アルベリアバトルロイヤル」もアップデートして競い合う要素の充実を図ったりしていきたいなと考えています。
――ライトにプレイする方向けのアップデートとコアな方向けのアップデートの両立は悩ましいところですよね、続ければ続けるほど。
岡田:
そうですね。ただ、この2.0までの1年というところは、やっぱり最初の入り口と、成長していくところをしっかり整えていこうという方針でやっていたので、そこに関してはある程度の結果が出せたかなと思っています。次は、やり応えのあるものや、しっかりとしたエンドコンテンツを充実させていくとところを図っていきたいなと思っています。
――遊びの根幹の部分って言うのはやっぱり変わらない中でコンテンツを増やされているのかなという風には感じでいます。ただ増やせばいいってもんじゃない、みたいな(笑)。
岡田:
そうですね(笑)。遊びの根幹を変えてしまうと別のゲームになってしまいます。あくまでこのゲームは『ドラガリアロスト』というアクションRPGなので、そこの部分をなるべく崩さないように、まだ触れられていなかった楽しみや、理解されづらかったものを、わかりやすく理解しやすいようにしていったのがこの1年だったかなと考えています。
――その根幹として、ずっと守り続けてきたものについて改めてご説明いただけますか?
(記事の)編集サイドとしては、さまざまな武器を使う気持ち良さや、ドラゴンに変身するところとか、そういうものがどのコンテンツでも共通して、楽しみ方は違うけれども根幹は守られているというイメージはあるんですけれども。
岡田:
そうですね、おっしゃる通りだと思っています。RPGというところで、戦いながらいろんな素材集めたりとかして、いろんなものを育成していくっていうのがまず面白みの1つとしてあると思っています。キャラや武器やドラゴンなどを育成することによって、階段を登るように、より難しいコンテンツに挑めるようになる。それに加えてアクション要素というものがあって、自分で操作し、相手がどういう動きをするか、どういう状態異常を持っているのかを考えて、うち勝つ方法を考えるところがこのゲームの楽しいところだと思っているので、そこの根幹は崩さないようにしてきたつもりですね。
――すごく実感できました。
最後に岡田さんの方から伝えたいことや、今後の楽しみが膨らむようなお話をお聞きできればと思います。
岡田:
では、2つ。
1つ目は、ストーリーについてです。『ドラガリ』の大きな魅力の一つがストーリーだと思っているので、メインストーリーは引き続き、頑張って2か月に1回をリリース目標にしています。今後もメインストーリーとつながってるようなストーリーのイベントもやっていきたいと思っていますし、これまでのイベントも振り返ってプレイできるようにしていく予定ですので、こういったストーリーを通して『ドラガリ』の世界にいろいろ浸かっていただきたいなと思っています。
2つ目は、先ほどお伝えしたエンドコンテンツの追加についてです。もう少しコアユーザーの方にしっかり遊び応えがあるようなものもしっかり追加していきたいなと思っているので、お時間いただいてしまうんですが、この2周年シーズンが終わるタイミングで、しっかり調整したものを入れていきたいなと考えています。まだまだ『ドラガリ』は続いていきますので、応援よろしくお願いします!
【ネタバレ注意】これまでのメインストーリーについても振り返っていただきました!
※まだまだインタビューは続きます! ここからはメインストーリーについてのネタバレが含まれますので、ご注意ください!
(まだストーリーを進めていない人は、1ページぶん飛ばしてくださいね)