『ドラガリアロスト』2周年インタビュー!岡田ディレクターに訊く再始動のVer.2.0
【ネタバレ注意】これまでのメインストーリーについても振り返っていただきました!
――これまでのストーリーについて、けっこう衝撃の連続なんですけれども(笑)、メインストーリーの方では、魔神・モルトメサイアが完全にベベットに吸収されてしまいましたよね? だから今、主人公が誰と戦っているのか? というのが、ちょっと難しくなってきてるなと思うのがあって。まず確認なんですけど、ベベットとファルエスっていう兄たちが新たな敵として現れて、それとは別に、アギトとネデウというまた別の敵勢力が加わった、という認識で良いでしょうか?
岡田:
はい、そうです。
――これは一応、2周年ということで、前のディレクターの方が、「一定のところまでは目処が立っている」と語られていたところまでは、もう一区切りは付いたと考えて良いのでしょうか?
岡田:
僕がディレクターに就任してから、今後の長期的な計画を考えるときに、それまで考えてきた世界設計やプロットも、改めて見直しをかけました。根本となる部分はなるべく踏襲しつつ、さらにその先を考えていかねばならなかったので、プロットに微調整をかけ、進行していっているという感じですね。厳密に、最初に立てられていたプロットから一段落着いたか? と言われるとそうでもなくて、まだまだ続いていく形ではあるという感じです。
――なるほど。当初から変えられた部分もある、と。
岡田:
そうですね。長期の運営というのを見越してというのもありますし、ユーザーさんの反応を見て変えたところもあります。こういうキャラクターに人気があるとか、ユーザーさんとしてはここが気になっているとか。そういうところも見つつ、ストーリーを考えています。更新ペースの違いはありますが、週刊漫画の連載に近いのかなと思っていますね。僕らはゲーム体験も含めつつ、ゲームをプレイしているユーザーさんと一緒に、世界を歩いていっているという感じです。一応、物語の大きな流れとしていた14章はもう乗り越えて、2周年イベントも、そこに関連しているストーリーとしてリリースいたしました。そこからようやく、新たな大陸に向けて動いていく流れが整ったかな、という感じではあります。
――新大陸である「北グラスティア大陸」に物語は進んで行きますもんね。『ドラガリ』は冒険を進めていくRPGというところで、新しい大陸に物語の舞台が移っていくというところも以前から予定されていた感じでしょうか?
岡田:
そうですね。その新しい大陸の世界観を体験してもらいながら、新しい勢力と衝突し、新しいキャラクターやドラゴンが出てきて、また新しい謎が出てきて。以前の謎が解明されて、という冒険をどんどん繰り広げていきたいなと思っています。
――キャラクターといえば、ラキシというキャラクターが出てきた時に、「えっ、『ドラガリ』の世界にアンドロイド!?」と最初思ったんですが、このキャラも以前から登場させる予定があったんでしょうか?
岡田:
そうですね。
――ラキシについてこだわった点はありますか?もともと(マスキュラという)双子の兄弟がいたのを、最終的にラキシ1人が2人分の魂を持つことになっちゃうじゃないですか。これも最初から決まっていた形ですか?
岡田:
そうですね、物語を考える中で少し変更した部分もありましたが、ラキシとマスキュラについては最初からそういう展開を予定していました。機械人形に関して、「モノ」と「心」という2つを分けたときに、その対比をうまく表現したかったんです。もちろん元々のラキシも、モノだけではなく、浅いながらも心はあって。マスキュラの方は、心が深くて。その2人が衝突したときに、マスキュラは体を失ってしまったけど、心は残っていて。逆にラキシの浅い心にマスキュラの心が入っていって、2人で1つみたいな形のキャラとして形成できると面白いんじゃないかっていうところで、いまの形になりました。
――ラキシも素晴らしいし、マスキュラもいいキャラクターでした。逆に、マスキュラは単体ではキャラとして実装されないのか……と、それはそれでショックだったり(笑)。
↑壊れかけたラキシへ、自分の心を差し出して助けるマスキュラ。このシーンに泣いたのは筆者だけではないハズ……!
岡田:
はい(笑)。
――でも、あれはあれですごくバランスの取れたキャラクターでしたね。一方で、またゼーナというキャラクターも出てきて、これも複雑ですよね。こっちは、ゼシアから分裂してる? みたいな。「ゼシアを仲間にしてほしい、早く助けてほしい」っていうユーザーの声が、けっこう僕の周りではあったんですが、そんな中でゼーナが出てきたのは、「先にこれでガマンして!」じゃないですけど(笑)。
岡田:
はははっ(笑)。
――そんな感じにも受けたんですけど……もちろんそういうわけではないとは思いつつ、ゼーナというキャラクターについて、こだわりを聴きたいのですが。これも、元々からキャラクターになる予定だったんですよね?
岡田:
そうですね。元々キャラクターにする予定でした。『ドラガリ』は、異界や、別の世界線など、いろんな世界が周りにあるという世界観になっています。例えば主人公が違う姿になっている世界もあったり、違う世界で過ごしてきたゼシアがいたり。その別の世界のゼシアが、いま主人公たちがいる世界に入ってきたのがゼーナとなっています。彼女にとっては、こちら側の世界が異界なんですよね。違う世界線から違う経験をしてきたゼーナはこちら側の世界とは違う見方もできますし、この世界の王子やゼシアがそういう存在と関わることによって、この世界をどう生きていくか考えるきっかけにもなるかなと思っていて。そういった、いろんな世界と絡まった形での、深いストーリーが形成できればいいなと思ってます。
↑ゼシアと姿は同じだけれど、経験してきたことの違いからまったく性格も異なるゼーナ。彼女のキャラストーリーは必見です!
――なるほど。キャラクター一人ひとりのストーリーも凄く考えられてますし、世界観がどんどん広がっていくのがすごく楽しいですね!