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FE無双 風花雪月 キーマンインタビュー 〜もうひとつのフォドラ戦記を尋ねて 後編〜

キーマンの御三方への発売記念インタビュー。後編は、気になる交流要素やアクションへのこだわりなど、ゲームのより細部についてお話をうかがいました。(ニンドリ2022年9月号より)

ゲームの内容を深く訊く、開発インタビュー

なおニンテンドードリームでは、さまざまなインタビューを行ってきましたので、あわせてご覧ください。

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開発者インタビュー 〜特集フォドラの夜明け〜
前作『ファイアーエムブレム無双』
連続インタビュー特集ページ
DLC第2弾のインタビュー
DLC第3弾のインタビュー
開発を終えてのファイナルインタビュー

インタビュー登壇者プロフィール(左から)

開発プロデューサー 鈴木 英生
早矢仕さんや岩田さんの架け橋役を担う。『進撃の巨人2 -Final Battle-』(Switch/PS4ほか)にてプロデューサーを担当。『FE 風花雪月』で最初に選んだのは青獅子の学級。理由は「王道の正義溢れる騎士感の描き方が気になって」

プロデューサー 早矢仕 洋介
前作『ファイアーエムブレム無双』や『ゼルダ無双』シリーズなど、任天堂IPとのコラボを数多く手がける。『FE 風花雪月』で最初に選んだのは黒鷲の学級で、理由は「赤かったから」。「三国志のイメージで、世界統一しそうだと思いました」

ディレクター 岩田 隼人
内容全般のディレクションを担当。これまで『ワンピース海賊無双4』やゲーム『進撃の巨人』などのコラボタイトルに数多く携わる。『FE 風花雪月』で最初に選んだのは金鹿の学級で、理由は「単純に可愛い女の子が多かったので(笑)」


アクション・交流・世界観をさらに深掘る「副官」がアクションでも活躍!掛け合いも

── キャラクター同士を一緒に行動させる「副官」ですが、副官をつけるとかなり強くなるな、という印象がありました。

岩田 せっかく副官として一緒に行動するわけですから、副官にもアクションゲームらしい形でしっかり活躍してもらいたいという想いがありました。また、キャラクター同士の関係性や絆といったものを、会話だけでなく戦闘にもキチンと反映させたいという気持ちもあって。そういう想いを実現するいい受け皿として副官システムというものがあったので、副官がただのサポーターになってしまうのではなく、しっかりと存在感を放つような効果を持たせよう、という経緯で今のような位置付けになっています。前衛と副官の支援レベルによって前衛の能力が強化されますが、数値的な強化だけでなく、見た目においても副官が前衛をしっかりサポートしてくれているように体感できる仕様にしています。

副官追撃や副官ガードなど、攻守で前衛を補助

── 副官をつけた状態で無双奥義を発動すると、すごく強力で爽快でした。

岩田 無双奥義中に前衛と副官が入れ替わる時の掛け合いも、2人の関係性によってセリフが変わったりするんです。ファンに向けてのお楽しみ要素のひとつになっていますので、ぜひいろんな組み合わせを試してみてほしいです。

鈴木 前作『FE無双』にも同じような「ダブル」というシステムがありましたが、やはり『FE』のキャラクターにおける見所って、支援会話などで見られるキャラクター同士の掛け合いだろうと思う部分があったので、そういう会話を戦闘中にも見たいと思いまして。支援会話などの延長線上として、副官や無双奥義でもキャラクター同士の掛け合いが見られる場面をうまく用意できたかなと思います。

プラスで特徴付けしていった兵種ごとの手触り感の差

── 原作の『FE』であれば、「弓は隣のマスには攻撃できない」など、武器種ごとに射程範囲や長所・短所がそれぞれ存在しますが、本作でのアクションにおける武器種や兵種ごとの差別化については、どのように意識されていたのでしょうか。

岩田 大前提として、今おっしゃったように武器種ごとに射程や攻撃範囲などの性能面、あとは単純にモーションの違いなどの見た目の面で、兵種の差別化を行っています。それに加えて、その兵種を象徴するアクションとして、Xボタン単押しで発動する特殊な技「兵種アクション」を実装しており、その部分で兵種ごとの手触りの違いを出せるように設計しています。たとえばアーチャーの兵種アクションであれば、Xを押している間照準を動かすことができ、狙った位置に遠距離かつ範囲攻撃を行える、というようなものですね。アーマーナイトであれば自分の周囲にいる味方のダメージをカットできるようなエリアを設置して味方を守ったり、ソシアルナイトであれば馬の機動力を活かして移動しながらの攻撃を行うですとか。そういった、兵種ごとの特色をしっかりと体感できるようなアクションを「兵種アクション」に落としこむことで、それぞれの差別化を図っています。

Xボタンで発動する「兵種アクション」は兵種の特徴を象徴するアクションになっている

── なるほど。とはいえ、兵種に限らず、アーチャーや魔道士であっても前線に出て、敵軍の中に突入してばんばん敵を倒せるようにもなっていますよね。あまり気にしすぎずに、どんな兵種でも無双できるのがうれしかったです。

岩田 そこはやはり『無双』ですので(笑)。兵種の差はつけますが、アクションゲームとして楽しむうえで、兵種によって極端に戦いづらくなったり、爽快感がなくなるような形にはしたくなかったんです。大前提としてマイナスな面ではなく、プラスの面で特徴付けしていく、という方針にしています。

巨大な敵「魔物」の実装決定は原作スタッフの鶴の一声から!?

── 本作でも『FE 風花雪月』と同じ、巨大な敵(魔物)が登場しますが、なぜ魔物を実装しようと思ったのでしょうか?

早矢仕 実は、「『無双』に魔物を入れるのは結構大変だよね」という話があがっていて、最初は実装しない予定だったんです。そうしたら、『FE 風花雪月』の制作に携わった弊社内のスタッフから…。

鈴木 「魔物の出ていない『FE 風花雪月』は『FE 風花雪月』じゃない」というお達しが(笑)。出さなきゃダメ!って意見が出たんです。そこはやはり原作スタッフの意見ですから、「我々が判断を間違えちゃったんだな」と思い直して、改めて実装しましょうという話になりました。

早矢仕 『FE 風花雪月』では、1体の巨大な魔物に対してみんなで力を合わせて攻撃し、体力を削っていく、という遊びでした。それを『無双』に落とし込むにあたり、戦場の各地に散っていろんなところで戦っていた仲間たちが、一箇所に集結して協力して倒す、という遊びにしようということになり、複数の武器種や属性に対応する障壁を持たせるような形に昇華されていきました。『FE 風花雪月』と似た感覚ではあるけれど、『無双』らしくもある魔物の倒し方を検討した結果、現在の仕様に着地した形です。

岩田 対人間ユニット戦、対魔物戦でのアクションゲームとしてのバリエーション要素でもあるのですが、それ以上に、味方への「行動指示」時に盤面を荒らす要素となってくれることを期待していました。実際、魔物がいるのといないのとでは指示の方針ががらっと変わりますので、シミュレーション的な思考に深みをあたえる存在にもなってくれたと思っています。

── たしかに、魔物が出現すると「一旦砦の制圧は後回しにして、みんなで倒しに向かわなきゃ!」という気持ちになります。それに、多くの戦力を割かなければいけない分、それに対するリターンとして、強い武器も獲得できますし。

岩田 そうですね。単に強くて苦労するだけの相手ですと、あまりにもつらいですから(笑)。

人間の何倍もの巨体を持つ魔物。体力が多く、障壁を持つため単騎では敵わない。仲間が集い、さまざまな武器種・属性で攻撃することで隙が生まれる

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