【プレイレビュー】『ルイージマンション2 HD』は“ヴィンテージ”な上質ホラー。歯ごたえそのままに操作性と映像が進化
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2024年6月27日(木)より発売の『ルイージマンション2 HD』を一足先にプレイし、レビューをお届け!
HDリマスターで生まれ変わったポイントも含めたゲームの魅力をお伝えしていきますので、本作で初めてシリーズに触れる方もぜひご覧ください。
目次
哀れ! いきなりボクセルに分解させられるルイージ
本作は、ちょっぴり怖がりなマリオの弟・ルイージを操作してオバケだらけの建物内を探索していくアクションアドベンチャーゲーム『ルイージマンション』シリーズの2作目となる作品です。
今回はオバケとなかよく研究を続けていたオヤ・マー博士に危機が。おとなしかったオバケたちが突然暴れ始め、「キミの助けが必要なんじゃ!」と博士から転送させられるところから物語が始まります。ルイージ、自宅で寝ていたのにムリヤリなんて…カワイソウすぎる。
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肝心の“マンション”は!? ボリューム満点の探索のはじまり
物語の舞台は博士のラボがある「オバ渓谷」。
そこに建つ「ウラメ~シ屋敷」やら「ノロワ~レ大樹」、「ジゴ~クロック工場」という、どれもダジャレみたいなネーミングの建物群を探索していくことになります。ほとんどマンション関係ないじゃん!
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しかしそれをいうなら、2019年に発売された『ルイージマンション3』(以下『3』)も「オバケホテル」が舞台で、今作からすでに「マンション」そのものとは関係ない内容になっていたんですよね。ただ今作は『3』とも違い、複数の建物を探索していけるのが独自の魅力となっています。
また冒険は「A-1」「A-2」…と、ミッションごとに分かれています。
一般的なアドベンチャーゲームでは、一度達成したミッションをやり直したいならセーブデータを新しくつくるなどする必要がありますが、ステージ選択の感覚で同じミッションを何度も遊び直せるのも今作ならでは。
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また各ミッションをクリアした後には、「クリアタイム」や「あつめたお金」などにより3段階のランクで評価されます。
「すべてのミッションで☆3ランククリア」など、やり込み要素もたっぷりです。
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何でも吸い込む「オバキューム」。今作は「吐く」のも重要!
『ルイージマンション』シリーズの魅力といえば、掃除機型のマシン「オバキューム」を使ってオバケを吸い込んでつかまえること。それ以外にも、あらゆるものが吸い込めます。
庭の枯れた草花や、クローゼットにかかっているコート、壁紙がちょっとめくれている部分など、吸うことで新たな発見も。ちょっとした隙間からコインやらお札やら金の延べ棒やらがドバドバー! っと出てくるのは快感です。
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だけど哀しいかな、手に入れたお金はぜんぶオヤ・マー博士の研究費にされちゃうんですよ。もちろんオバキュームのパワーアップだってしてくれるわけですけど、それで「2人の戦いの勲章」だなんて。ルイージよ、騙されてるぞ!!
また、オバキュームは吸い込むだけでなく、逆にノズルに吸いつけた種をポーンと吐き出して敵を攻撃したり、「ボヨヨンの実」という植物をくっつけ風船のようにふくらませて空を飛んだり。さまざまなギミックが用意されています。
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「ダークライト」で隠れた置物やアイテムを見つけ出す
『3』では、呪いをかけられて姿が見えなくなったものを照らすことで実体化できる「ダークライト」が出てきました。
実はその「ダークライト」の初登場は、この今作だったりします。
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怪しい場所を照らすと、「のろい玉」がボボボッ! と出現。それをすべて吸い込めば、隠されていたものを実体化することができます。
また、呪いをかけた張本人であるテレサを見つけ出す際にも「ダークライト」が有効。ボス戦を除くどのミッションにも1体のテレサが潜んでおり、すべてのテレサをつかまえることもやり込み要素となっています。
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なお、ひとつの建物内に潜むテレサをすべてつかまえると、特別なミッションが解放! 完璧主義の私としては、ぜひ挑まずにはおられません。
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敵か味方か、「オバ犬」登場!
さらに、シリーズのマスコット的キャラクターになっているキュートな犬型オバケ「オバ犬」も、今作が初登場でした。
各ミッションの中で1つ手に入る黄金のホネを持っていると、途中でルイージのライフが0になって倒れてしまった際、オバ犬がやってきて復活させてくれます!
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しかし、いいキャラクターかと思いきや、ストーリー中では大切なカギを奪って逃げていくという迷惑な行為も…。敵なのか、味方なのか? 厄介だけれど憎めないキャラクターです。
ちなみに「オバ犬」という名前もオヤ・マー博士が命名。やっぱりダジャレじゃねーか!
「テラータワー」は最大4人までの協力プレイが可能!
1人用のストーリーモードを進めていくと、「テラータワー」が遊べるようになります。
これは、インターネットまたはローカル通信の協力プレイで遊べる、最大4人用のモードです。
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フロアにかくれているすべてのオバケたちを見つけ出す「ハンタータワー」、制限時間内にゴールの部屋を見つけ出す「クライマータワー」、逃げるオバ犬たちをすべてつかまえる「チェイサータワー」の3種類。
それぞれ、頂上までのフロア数や難易度は自分好みで選ぶことができます。
「テラータワー」にしか登場しない風変わりなオバケもいるので、ギャラリーの展示をコンプリートするためにはぜひ遊んでおきたいモード。なお『3』とは違い、「おすそ分けプレイ」には非対応です。
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Joy-Con対応で操作性の向上も。大画面で遊べるのは迫力抜群
本作は「HDリマスター」ということで、ゲームの内容面では3DS版から大きく変更された部分はありません。
ただ3DS版では右手側にジョイスティックがなかったため、Joy-Conに対応した本作で「ZRボタンで吸い込みながらRスティックで方向転換」が可能になるなど操作性が向上したことが注目のポイントです。
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また、3DSの特徴だった裸眼立体視がなくなったものの、テレビにつないで迫力の大画面で楽しめるのはやっぱりうれしい! 小さな画面では見つけづらかった仕掛けや隠しアイテムにも気づきやすくなりました。
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また、現代は「ゲーム実況全盛期」ということもありますし、ぜひ実況者の方には本作をプレイしていただきたいと思います。
11年も前のゲームですし、当時はパッケージに説明書が封入されていた時代。5年前の『3』などと比べると、もう少し説明がほしいなと思ったり、プレイ難易度に歯ごたえがあると感じる場面もあったりします。
スイスイと簡単には進めないからこそ、実況者の方は腕の見せどころを体感できるような内容になっていると思いました。
自分も年齢を重ねた今の状態でプレイしてみて「このミッション、よく当時の3DS版でクリアできたな」と驚く場面もありました。それだけ歳を取ったということなのでしょうか…(泣)。逆にいえば、当時遊んだ方でもまた新鮮な気持ちでこの作品に挑めるのではないかと思います。
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映像が美麗になって、迫力が進化しつつも、難易度や遊びごたえは当時と変わらぬ『ルイージマンション2 HD』。11年の歳月を重ねた“ヴィンテージ” なおもしろさを、ぜひ味わってみては?
(ライター・平原学/ひらばる まなぶ)
<製品概要>
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