宮本茂さんも登壇したワールドプレミア。マリオ・ルイージ役の2人へインタビュー!
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4月28日の日本での劇場公開に先駆け、すでに海外で公開が始まり話題沸騰中の「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」。4月1日にアメリカ・ロサンゼルスにて行われたワールドプレミアの様子をご紹介します。
マリオ&ルイージ役のクリス・プラット氏とチャーリー・デイ氏を直撃
世界でアニメ映画市場No.1の新記録を樹立し、大ヒット爆進中の「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」。いよいよ日本での公開も迫っています。
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本記事でお届けするのは、世界で最初に作品を披露する試写会「ワールドプレミア」でのインタビューです。「ワールドプレミア」には、マリオの生みの親で任天堂代表取締役フェローである宮本茂氏をはじめ、制作を担当したイルミネーションのCEO・クリス・メレダンドリ氏や主要キャストも登壇しました。
今回はその中から映画でマリオブラザーズを演じた、クリス・プラット氏(マリオ)とチャーリー・デイ氏(ルイージ)のインタビューをご紹介します。
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ビデオゲームのファンを満足させるすばらしいものになりました
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ーー マリオ役を演じる上でプレッシャーはありましたか?
クリス プレッシャーはかなり感じました。僕は『スーパーマリオブラザーズ』を30年ほどプレイしてきたので、キャラクターとは長い付き合いなんですが、だからこそ、僕と同じようにファンの期待がすごく高いことも知っていました。
なのでプレッシャーは感じてたよね。彼らをがっかりさせることはしたくない。ファンのためにもダメな映画にしないことが、僕らにとって重要でした。幸いにも、僕らは映画を台無しにはしなかったよ。
ーー どんなふうに声の演技にアプローチしたのでしょうか?
チャーリー 一番厳しい批評家である僕自身を満足させるようにしました。自分が満足できるようなことをやれなければ、映画を観たときに嫌でたまらないはずだからね。
だから、同じセリフでもいろいろと違うふうに演じて、できるだけたくさんのバリエーションを出したんです。そこから監督が気にいったものを選べるようにして。結果、完成作を観てとても満足しています。僕自身は周りからのプレッシャーよりも、そういったところを気にして仕事に挑むようにしてるんです。
クリス 僕らは2年もこの映画に取り組んできました。今、ようやく人々に観てもらえるときが来て嬉しいです。僕自身、この映画を観るのが楽しみでした。どんなふうに形になるのか、僕にもわからなかったから。
「声が正しくないとダメ」という、ファンによる情熱的なネットの書き込みを発表からこれまで目にしてきたし、自分が演じたことがダメだったらどうしようとも思ったけれど、映画を観たら「僕らはやってみせた!」と思ったよ。誰にも文句は言われないはずだと。自信を持って、すごく良い映画になっていたと言えますね。
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ーー おふたりにはお子さんがいますが、映画の出演をオファーされたときの反応はどうでしたか?
クリス オファーされてすぐに息子に話したよ。息子はすごく喜んだ。君はどう?(とチャーリー氏に聞く)
チャーリー 僕もすぐさま、妻に話すより先に息子に話したよ。息子はとても喜んでいたね。
ーー 脚本を読んでとくに感心した部分、あるいは驚いた部分はありますか?
チャーリー マリオがただプリンセスを救うだけじゃなくて、兄弟愛や彼らの夢というものをしっかり語るストーリーになっていたのが驚きでした。この映画の感情面での核になっているからね。とても良いストーリーを作ってくれたと思います。
クリス マリオとルイージがなぜキノコ王国でプリンセスを救おうとしているのか、という理由がわかったのも良いよね。なぜなら、ゲームではそこについての説明はこれまでなかったから。彼らはどこから来たのか? 彼らはどんな家に住み、どんな生活をしているのか? この映画ではキャラクターに関するそういったことがきちんと表現されていることに僕は興奮しました。
ーー でも、この映画はマリオがプリンセスを救う話ではないですよね。プリンセスがマリオの手助けをして、一緒にルイージを救うという部分についてはどう思いましたか?
クリス 僕には娘がふたりいるから、助けられるのを待っているのではなく、自分から積極的にチームに参加して誰かを助けようとする女性の姿を見せてあげられるのは嬉しいよ。
そもそもマリオとピーチ姫が男女平等に向けて方向転換したのはこの映画ではなく、『スーパーマリオブラザーズ』の38年の歴史の中で起きてきたことです。ピーチ姫はマリオのゲームに出てくる共感できるキャラクターで、閉じ込められて悲しんでいるだけのプリンセスではなくヒーローです。
だからこの映画のためにモダンにするとか、フェミニスト的要素を入れたとか、そういうことじゃなくて、それ以前にピーチ姫がマリオの手助けをすることは成立していたんだよ。映画の冒頭で、ブルックリンにいたマリオとルイージはキノコ王国に引き込まれる。そして、マリオはキノコ王国の事情を知っている人の手助けを必要としているわけで、それがたまたまプリンセスだったわけ。でもこのプリンセスはバイクにも乗れるし、パワーも持っている。彼女はすごくクールだよね。
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チャーリー 僕も同感です。この映画で、彼女はマリオと同じくらいストーリーを引っ張っていく存在で、マリオだけじゃなくピーチ姫にも王国の危機のような緊急性を与える方が、ストーリーとしてもおもしろいよね。
この映画でマリオが救いたいのは自分の弟だというのも、モチベーションとして納得ができるものだし。なぜならゲームでマリオたちが救うのは、彼らが知りもしないプリンセスですから。あれはゲームなら何の問題もないし、逆にゲームだとすごく良いアイデアですよね。だけど、映画のストーリーにするなら、観客がキャラクターに思い入れをできるようにしないといけない。思い入れしたくなるように、キャラクター同士の関係をしっかり構築しないといけないんです。
その意味で、マリオが救いたいのが一度も会ったことのないプリンセスではなく自分の弟だというのは、とても共感ができるんだ。それに、男の子にも女の子にもヒーロー像を見せてあげられるのでとても良いと思います。
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ーー おふたりは『スーパーマリオ』のゲームファンですか?
クリス 僕は大ファン。9歳のときからプレイしているし、すばらしいゲームだよ。そして、この映画もビデオゲームのファンを満足させるすばらしいものになりました。キャラクターを愛しているビデオゲームファンをがっかりさせない作品になっています。
ーー お子さんと一緒にゲームをプレイしたことはありますか?
チャーリー 僕は『ルイージマンション』を息子と一緒にプレイしたよ。あと、当時のゲーム機を使ってオリジナルの『スーパーマリオブラザース』を遊んでいたら、それを見た息子が「おかしい」って思ったみたいだよ(笑)。
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以上、ワールドプレミアでのインタビューをお届けしました。
ジャパンプレミアは4月18日となっており、そこではゲスト登壇も予定されています。
「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」は、いよいよ4月28日公開です!
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<映画情報>
公開日:4月28日(金)劇場公開
監督:アーロン・ホーヴァス、マイケル・ジェレニック
キャスト:クリス・プラット、アニャ・テイラー=ジョイ、チャーリー・デイ、ジャック・ブラック、キーガン=マイケル・キー、セス・ローゲン、フレッド・アーミンセン、ケヴィン・マイケル・リチャードソン、セバスティアン・マニスカルコ、チャールズ・マーティネー、宮野真守(日本語吹替版)、志田有彩(日本語吹替版)、畠中祐(日本語吹替版)、三宅健太(日本語吹替版)、関智一(日本語吹替版)
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