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KONAMI森博信プロデューサーに訊くNintendo Switch版『実況パワフルプロ野球』の魅力

コナミデジタルエンタテインメントが、6月27日に発売したNintendo Switchソフト『実況パワフルプロ野球』(以下『パワプロ』)。リリースを記念して、製作を手掛けたプロデューサーの森博信さんのインタビューを、ニンテンドードリーム8月号(6月21日発売)との連動企画でお送りします。
本誌のみに掲載している情報もありますので、あわせて手にとっていただければと思います。
(NDW×ニンテンドードリーム8月号 連動企画)



森 博信さん
株式会社コナミデジタルエンタテインメント所属、プロデューサー。
シリーズには『実況パワフルプロ野球2013』(PS3/PSP/PS Vita)から携わっている。
パワプロ・プロスピ公式Twitter:https://twitter.com/pawapuro_pro
 

任天堂の据置型ゲーム機ではWii以来約11年ぶりの新作!

―― まずはNintendo Switch版『パワプロ』にナンバリングや年号を入れなかった理由を教えてください。


 Nintendo Switchプラットフォームで発売する初めての『パワプロ』なので、初めて遊んでいただく方にも分かりやすいようシンプルにしたのが理由です。Nintendo Switch的なタイトル案も検討はしたのですが…、わかりやすいタイトルの方が良いなということになりまして。現在のシンプルな名称になりました。
―― 今作のオープニングムービーは、歴代の「パワプロ」シリーズのものと少し違った印象でしたが、どういう意図がありますか?
 今作では、毎回繰り返して聞いてもらえるよう短めにまとめています。ぜひ毎回見て、テンションを上げてゲームを楽しんでください。


―― 今作のテーマ曲「GET THE GLORY!! 栄光への一歩」を作るにあたって、森さんから曲などについて何か要望は出したんですか?
 Nintendo Switchは小中学生の方もたくさん遊んでいるので、子供たちが耳にしたときに口ずさみやすいようなものを取り入れてほしいと伝えました。

↑『実況パワフルプロ野球』のオープニングムービー。おーおーおーおーおーお~♪

サクセスは名作と名高い『パワプロ9』から2シナリオ
「パワフル高校」「あかつき大附属高校」をリメイク

―― 今作の「サクセス」が2002年7月18日にニンテンドーゲームキューブとプレイステーション2の2機種で発売された『実況パワフルプロ野球9』のリメイクになった経緯を教えてください。

 『パワプロ』シリーズのナンバリングタイトルにおける「サクセス」は、シリーズを重ねてキャラクター数がだいぶ増え、初心者には入りづらい部分もあるのかなと感じていまして。初めてサクセスを遊んでいただく方には、今のサクセスの柱となっている「パワフル高校」「あかつき大附属高校」という2つの高校から楽しんでいただきたいと思いました。2002年当時のシナリオなので、当時遊んでいた方には懐かしく感じでいただけると思いますし、初めての方にもスムーズにサクセスの世界観に入っていただけると思います。

『パワプロ9』のサクセス


―― 過去の「サクセス」をリメイクする上で大変だったことはありますか?
 当時のシナリオを現代風に置き換える部分が大変でしたね。また、システム面では当時の特殊能力をそのまま反映してしまうと、選手が強くなりすぎてしまうので、丁寧なバランス調整を行いました。あと、最近の『パワプロ』シリーズの「サクセス」は育成期間が1年でサクサク遊べるものが多いのですが、今作は3年なので遊びやすさは意識しました。
 
↑ゲームキューブ版『パワプロ9』(左)とNintendo Switch版『パワプロ』(右)で同じシーンを見比べてみました。2018年4月26日に発売されたPS4/PS Vita『実況パワフルプロ野球2018』と同じシステムで最適化され、試合やゲームクリアまでの週がひと目でわかる!
―― サクセスのゲームバランスについてはいかがでしょうか?
 今回はリメイクということもあり、3年間でどれくらいの選手を作れるかという細かなバランス調整をしています。まずはそこを楽しんでいただければと思っています。
―― 試合中、走者側にLRダッシュの表示が付いた理由は?
 『パワプロ』シリーズではおなじみの機能ではありますが、画面に連打ゲージを表示することによってわかりやすいようにしました。ゲージが出てると燃えるんですね。いろんな人にテストプレイしてもらいましたが、一番早く身につく操作になったかも(笑)。また、今作は最大4人が同じチームをプレイできるので、多人数プレイ時は1人プレイ時よりゲージが溜まる速度が早くなっています。

―― 余談ですが、『パワプロ9』といえば「それいけ!ホームランくん」モードが印象的でした。こちらのリメイクは検討されなかったのでしょうか?
 ホームランを打つのは気持ちいい要素だと思うので、今作では新しく「ホームランアタック」というものを用意しました。Nintendo Switchの特性にあわせて4人でも対戦できる新しいホームラン競争になっています。これが今後バージョンアップしていくと、もしかしたら「それいけ!ホームランくん」の進化版になっていくかもしれませんね(笑)。

↑「ホームランくん」というキャラクターを操作し、ホームランの飛距離だけで東京の地方球場から福岡ドームまでの11球場をホームランの飛距離で歩いていくモード。クリアするとオリジナル選手として「ホームランくん」が使えるようになりました。
ちなみにNintendo Switch版『パワプロ』でも、選手の呼び名で「ほーむらんくん」と入力して検索すると「ホームランくん」の名前を読んでくれる音声データがあります。

―― それは楽しみですね(笑)。
 「ホームランアタック」でも「それいけ!ホームランくん」のようなやり込み要素もありますし、4人でプレイにもいろいろな遊び方があり、誰が一番スコアを稼げるかというモードもあれば、ルール縛りでホームランを打つ「サドンデス」モードもあります。好みにあわせて遊んでいただけたらなと思います。

↑「ホームランアタック」ではボールを打つという野球の楽しさと爽快感が楽しめますよ!
―― 過去に発売された『パワプロ』シリーズで育てた選手を、パスワードなどを用いて今作に引き継ぐことは出来るのでしょうか?
 選手パスワードの機能はありませんが、今作で作った選手同士であれば、ローカル通信で友達と交換することは可能です。新しいプラットフォームですのでぜひ競い合ってよい選手を作って楽しんでください!

子供たちも楽しめる新モードで選手育成の楽しさを提供!

―― 続いては新モード「トレジャー」の開発コンセプトを教えてください。
 最近の『パワプロ』シリーズでは、プロ野球を軸としたモードが小中学生に好まれています。それを踏まえ、子供たちがみんなで楽しめるモードを入れたいと思ったので、プロ野球を軸とした「トレジャー」モードを開発しました。また、『パワプロ』といえば選手を作っていく遊びもメインだと思うので、ぜひそこも「トレジャー」で体験してほしいですね。プロ野球チームを倒しながら、自分のオリジナルチームを育成して楽しんでください。

↑「サクセス」よりサクッと遊べて、アイテムを使って育成するモード「トレジャー」。試合中に発生するトレジャーミッションをクリアすることで、更なるご褒美もゲットできます!
―― 今作はamiiboカードに対応していますが、採用意図や使い方のポイントを聞かせてください。
 まず複数人プレイを導入したので、みんなで楽しめるケースを増やしたい、そして久しぶりにプレイする方も遊んでもらえるようにしたいと思いました。amiiboカードはモバイルゲームのログインボーナスのように使え、育成用のアイテムがもらえるようになっています。毎日5枚まで使えるので、自分が使うだけではなく友達のamiiboカードを借りることもできます。また、今作のamiiboカードは読み書きも可能です。「トレジャー」の複数人プレイ「みんなでミッション」をクリアすると育成用アイテムがもらえるので、その結果をamiiboカードに書き込むことで、プレイした全員がアイテムを持ち帰ることができるんです。


↑今作の初回生産版特典(パッケージ版)にamiiboカード「パワプロくんが1枚同梱されます。さらに、店舗別特典として5種類のamiiboカードがあります(非売品)
矢部明雄:エディオン、Joshin、ビックカメラ、ソフマップ、コジマ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、ノジマ
猪狩守:アピタ、ピアゴ、イオン、トイザらス、ドン・キホーテ、HMV&BOOKS online、KONAMI STYLE
早川あおい:Amazon.co.jp
ガンダー:TSUTAYA、古本市場、フタバ図書、Rakutenブックス、WonderGoo
ダイジョーブ博士:ゲオ
―― amiiboカードの絵柄は6種類ありますが何か違いはありますか?
 データを持ち帰る機能自体はどのカードも同じです。ログインボーナスで貰えるアイテムに関しては、『パワプロ』のamiiboカードだけでなく、ほかのamiiboでも受け取り可能なんですよ。ただ、『パワプロ』のamiiboカードに関してはカードにちょっとだけ特性が付いています。例えば「パワプロくん」なら投手用の育成アイテムが出やすいなど、それぞれに設定されています。

答えて森プロデューサー! Q&A

―― 森さんの『パワプロ』歴を教えてください。
 初代作のSFC『実況パワフルプロ野球’94』です。それで『パワプロ』にハマり、『パワプロ』が作りたいと思い、KONAMIに入社しました。そこから『パワプロ』に携わるまでは…長かったですが(苦笑)。
―― 歴代『パワプロ』シリーズで一番思い入れのあるタイトルは?
 PS3/PS Vita/PSP『実況パワフルプロ野球2013』ですね。その翌年に出たPS3/PS Vita『実況パワフルプロ野球2014』もプロデューサーとして携わりました。『パワプロ2014』は20周年記念作品でもあったので、毎年寄せられるファンの声をどこまで取り入れられるか挑戦した部分もあるので、思い入れが深いですね。
―― 『パワプロ』の魅力を一言でいうと。
 「野球を体験できる」ということですね。プロ野球をゲームの中でリアルに体感できる。選手や監督などあらゆるプロ野球の遊びが詰め込まれているところが魅力です。
―― 『パワプロ』ファンにメッセージをお願いします。
 お友達やご家族と一緒に、ぜひ4人プレイを楽しんでください!
―― 最後はニンドリ恒例の質問です。最近食べた美味しいものは?
 甲子園球場の焼き鳥。子供を連れて野球を観にいったら、子供が焼き鳥のタレにハマって、そういえばおいしかったなと思い出したところです(笑)。


実況パワフルプロ野球 公式サイト
「eBASEBALL」はKONAMIが開催する野球コンテンツを使用したeスポーツ競技の総称です。
Nintendo Switch向け「実況パワフルプロ野球」は競技大会開催予定コンテンツです。
一般社団法人日本野球機構承認 日本プロ野球名球会公認 日本プロ野球OBクラブ公
認 プロ野球フランチャイズ球場公認
データ提供:共同通信デジタル
(C)Konami Digital Entertainment

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