【『ピクミン4』レビュー】すごいよオッチン! もっと欲しいよヒカリピクミン!
ほのぼのとしてかわいい雰囲気の中にも、弱肉強食の生態系ピラミッドがしっかり組み込まれていたりと、ちょっぴりダークな要素も散りばめられた、見た目に反して意外と硬派でやりごたえのある『ピクミン』シリーズ。待ちに待ってた最新作ということで、さっそくネタバレなしでゆる〜くレビューしていきます。
ゲーム全体の紹介についてはこちらをご覧ください。
ダンドリが悪くても安心してください
とにかく最初に感じたのは、『ピクミン4』かなり遊びやすくない? ということです。
遊びやすい=簡単ということではありません。
ゲームとしての難易度はシリーズを通しても決して下がってないと思うのですが、とにかく便利な点が増えて、イライラする場面が減った印象を受けました。
スゴイよ「オッチン」!
その便利で快適に遊べる立役者が、本作で主人公の相棒となる「オッチン」だと思います。
宇宙犬であるオッチンは、主人公をいろいろな面でサポートしてくれるのですが、これがまぁ便利。とんでもない量になるので、全部を解説することはしませんが、例えば「オネガイ」という能力。
この能力は遭難者やオタカラの場所に導いてくれるのですが、これのおかげでゲームに慣れていない人にとっての最大のストレス要因である「どこ行けばいいの? 何すればいいの?」を解決してくれちゃいます。困ったらオッチンにオネガイしてみればいいのです。
もちろん、道中に通れない場所なんかがあると、オッチンは困って目的の場所まで行けないのですが、じゃあここをどうやって進めるようにすればいいのかを考えればよい、シンプルな思考に整理させてくれるのです。そうやってプレイヤーに目的を分かりやすく提示してくれるようになっているので、かなり助かると思います。
全部自分で探索したいという人は、オッチンのそういう便利なスキルを使わない、という選択肢もあります。辛いカレーにバターを入れてマイルドにしても美味しいし、入れずに刺激を楽しむのもまた美味しい。そんなイメージが近いかなーなんてプレイしていて思いました。
また、チュートリアルや説明もかなり丁寧で、最近のゲームでは増えてきた映像を交えた解説も豊富です。シリーズ未経験でも、とくに違和感なく遊べるようになっていくので、置いてけぼりにされる心配はありませんでした。ちゃんと少しずつステップアップできる作りになってます。
ダンドリよくないと……ダメ?
発売前からダンドリアクションという言葉をたくさん聞いていると思います。
「私、段取り悪いんだけど遊べるかしら?」なんて躊躇している人も多かったりするかもしれません。結論からいうと、全然ダメじゃないです。ビビらないでください。
わかります。「ダンドリダンドリ」言われると、ちょっと難しそうに思っちゃいますよね。でも、実際は結構失敗しても全然平気です。
なぜ? だってこのゲームは「時間を巻き戻し」できちゃうんです。無制限に好きな時点に戻すわけではないのですが、それなりに巻き戻してくれるので、悩んでも「とりあえずやってみるかー」でなんとかなります。失敗したら巻き戻しちゃえばいいんです。そうやって慣れていけば、きっとあなたのダンドリ力は知らず知らずの間に上がっているはずです。
また、本作で追加されたレスキューキャンプではアイテムやソウビのカイハツもできちゃいます。これがまた助かるんです。原生生物ってなんか怖いよね、ピクミンで倒すのが苦手……なんて感じたらアイテムに頼ってもいいんです。カイハツして手に入れたアイテム「バクダン岩」を投げまくるとか、そういうダンドリ無視のパワープレイもありなんですよ。さらに遭難者のひとりであるレンジャーを助けると、どうしてもクリアできないダンドリバトルや夜の探索などを手伝ってくれるので、アクションが苦手な人も安心の親切設計です。かわいいピクミンたちを失いたくない人もいますしね。
といった具合で、意外とゴリ押しも通用するので、なにがなんでもダンドリ! とはならないので安心して興味を持ってもらいたいです。でも限られた時間やピクミンをバチッと最高のダンドリで効率よく運用できたときはとても気持ちいいので、余裕ができたらダンドリを意識していきましょう。パスタが茹で上がるタイミングで、ソースがピッタリ完成した! そんな気持ちよさです。
余談ですが、遭難者を助けていくと本拠地であるレスキューキャンプがどんどん賑やかになっていきます。これがまたうれしい。いろんな人がいろんな思いで惑星探索に乗り出し、遭難している設定もおもしろいです(設定は詳しく見ることもできます)。
探索を終えてレスキューキャンプに戻るとほっと一息つけることでしょう。遭難者の話に耳を傾けたり、彼らからサイドミッションをお願いされたりもするのでやることもいっぱい。あー楽しい。
ヒカリピクミンは超高性能!?
ピクミンは赤、青、黄、白などなど、種類もたくさんあり、赤なら火に強くて攻撃力も高いみたいに、それぞれに個性を持っていますよね。
そんなピクミンの種類ですが『ピクミン4』では新たに氷ピクミンとヒカリピクミンの2種類が発見されました。氷ピクミンは体験版の範囲でも触れることができるので、今回はヒカリピクミンについて少しお話しさせてください。
はい、この子たちすごいです。
まず、基本情報として明るいところでは活動ができないため、夜か地下(洞窟)でしか運用できません。夜の探索ではこの子たちとオッチンだけが頼りです。で、夜を終えるとタネになって、地下にも持ち込めるようになるのですが、実際に連れていったらもうビックリですよ。強いというか便利というか、ともかくすごい。
ここがすごいよ、ヒカリピクミン その1:
耐性がすごい。火・水・電気・氷・毒というすべてに耐性があります。燃えない、溺れない、痺れない、凍らない、毒にならない……もうこれだけでヤバいのがわかります? ほとんどの障害が苦にならないんですよ!
ここがすごいよ、ヒカリピクミン その2:
自分の所に戻ってくる。オタカラや遭難者を運んだあと、ほかのピクミンたちはその場でぼーっと待機しちゃうわけですが、このヒカリピクミンは、なんとピューンとプレイヤーのもとに飛んで戻ってくるんです。
はい、かわいい、便利。
ある種の完璧なるダンドリの真髄。そんなわけで、地下(洞窟)の探索では、このヒカリピクミンがいないと探索できない体になってしまいそうでした……。
とはいえ、ヒカリピクミンは夜の探索をクリアし、「ヒカリのタネ」を持ち帰らなければならないため、そこまでたくさんの数を気軽に運用できるわけではないというのがポイントです。
貴重なヒカリピクミン、でもすごく便利……という葛藤をぜひみなさんも味わってほしいです。使いすぎると、地上の探索の際に、ほかのピクミンの運用が雑になることがありますので、用法用量にはご注意くださいね。
ヒカリピクミン、タクサンホシイ。
ダンドリを意識しなくても十分遊べますと言いつつ、ダンドリにとっても便利なヒカリピクミンの話をすごくしてしまうのは本末転倒な気もします。が、あえて気にしません。
ダンドリが上手くできることにこしたことはないので!
やることはいっぱい。のんびりゆっくり、ひとりで、みんなで。
今回は『ピクミン4』をネタバレなしでゆるくレビューさせていただきましたが、ゲーム自体はゆるいだけじゃありません。
頭を悩ませる場面もでてくるし、図鑑を埋めたり調査率100%を目指したりと、サイドミッション系のやり込み要素も豊富にあります。そして、昔ながらの制限日数内にいかにダンドリうまく立ち回るか、そんなヒリヒリした『ピクミン』を遊びたい人も大丈夫だといっておきます。きっと驚きが待っていることでしょう。
待望の最新作ということもあり、一気にプレイしちゃう人も多いと思います。でも、時には肩の力を抜いて、めちゃくちゃ綺麗になった映像を、本筋とは関係なく歩きまわって楽しんてみたり、環境音楽のようなBGMやピクミンたちの歌に耳を澄ませたり、 オッチンの仕草を観察してみたりして、ピクミンの不思議な世界をのんびりじっくり楽しんでみてほしいです。
私は完全コンプクリアまでに40時間以上惑星に降り立っていました(まだやることあります)。ただピクミンたちを死なせすぎてしまったので、2回目の惑星探索は身についたダンドリ力で上手に導いていきたいと思います。
……そんなベタ褒めな『ピクミン4』ですが、唯一懸念点をあげるとすれば、フィールドを行き来するときのロード時間の長さでしょうか。
グラフィックが綺麗になっているし、プレイヤーの探索を途中状態のまま保存するわけですから、読み込むことがたくさんあって仕方ないのかなぁとは思いますが、あえてそこだけ言っておきます(全部褒めちぎるのも嘘くさいですもんね)。
最後に余談をもうひとつ。2人プレイで遊ぶとさらに楽しいです。
2P側は小石を投げてエンゴ射撃したり、アイテムでサポートをすることができます。これ最高です。協力してダンドリ効率重視の遊びももちろんできますが、それよりもわちゃわちゃと笑いが絶えないパーティゲーム感がアップするおもしろさがあります。『スーパーマリオギャラクシー』の2人プレイがさらに進化した感じです!
じつは、さらに3人プレイもおすすめだったりします。操作するのは2人ですが、3人目が神視点で2人に指示を出すとさらに楽しいんです。仲間同士のコミュニケーションも充実。友達の家に集まってわいわい遊んでほしいですね。3人目の人は2人がオタカラを集めている間に、みんなで食べるお菓子のオタカラを用意することもできますし! これはまた別の機会に記事にできたらいいなーと思います。
ということで、今年の夏休みは未知の生物がいっぱいの惑星探索に出てみるのはどうですか?
まだ躊躇している人は、セーブデータが引き継げる体験版をとにかく触ってみてくださいね!
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<製品概要>
対応機種:Nintendo Switch
発売日:2023年7月21日(金)
価格:パッケージ版 6,578円(税込)/ダウンロード版 6,500円(税込)
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