『あつまれ どうぶつの森』とたけけレコード 制作スタジオを直撃!
とたけけミュージックのレコードが発売!
音の最終確認の現場を訪問し、カッティングなどレコードならではの製作過程を取材しました!
とたけけミュージックがついにレコードで登場
日本コロムビアより、とたけけミュージックのレコードがついに発売!『どうぶつの森』シリーズ初のレコード化です。
※数量限定生産。詳細は記事の下部をご覧ください
近年ブームのレコードですが、読者のみなさんのなかには、実物を見たことがない方もいらっしゃるのではないでしょうか。ざっくりいえば、音の振動をアナログで記録した円盤がレコード、音の振動をデジタル化して記録したものがCDです。
レコードのなかでも主流なのが「LP」。直径30cmで、片面25分程度の音楽を収録することができるものです。CDより大きくて収録時間も短いですが、ジャケットは飾ったときの見応えあるサイズ感!
ゲーム内でミュージックのジャケットを壁に飾ることができますが、ついに本物のレコードとなって、そのジャケットをリアルに飾ることができちゃいます♪
そんな今回のレコード化ですが、今年7月には、任天堂のサウンドスタッフ・戸高一生さん立ち会いのもと、音の最終確認が行われました。
編集部ではその様子を特別に取材することができましたので、レコードならではの制作過程を紹介します!
※画像はクリックで拡大できます
レコードの制作現場を訪問!
現在、レコードを制作できる機材、スタジオ、エンジニアは限られています。その貴重な一室にお邪魔し、お話をうかがいました。
ここがマスタリングスタジオ!
スピーカーの中央の位置に座って、音を確認することができるようになっています!
今回は戸高さんがここに座り、マスタリング音源の通し聴きを行いました。
部屋の真ん中には、マスタリング用ミキサー等の機材。
私にはすごそうなキカイ…としかわかりませんが、いかにもプロの現場!
左手には貴重なアナログレコーダーも立ち並んでおり…、
奥にはカッティングマシンが鎮座。今回のレポートは、ここが主な舞台です!
レコード向けのマスタリング
右手にはパソコンが。
マスタリングは、複数の曲を全体的に聞きやすいよう仕上げる工程。CDの制作過程にも必ずあり、音量や音質の最終調整を行います。
現在はパソコンを使って行われていますが、レコードはさらにアナログならではの調整が必要!
音量が大きいと針の振れ幅も広がって歪みの原因になってしまったり、盤面の内側のほうが歪みやすかったりするのだそうです。
レコードのアナログ的な特性を知り、収録時間や曲の順序なんかにも気を遣って調整しなければいけないんですね。
今回は最終確認とあって、マスタリング・エンジニアの方も鋭くチェックしていました。
アナログならでは!カッティング現場を拝見
マスタリングした音を、実際にレコードとして量産するための「原盤(マスター)」を作成する工程です。
ラッカー盤へのカッティング
レコードは、円盤に音が波のような溝で刻まれており、回転させながらその波を「針」で読み取ることで、音を再生する仕組みです。
その音溝をつけてマスターとなる原盤のことを、「ラッカー盤」と言います。黒い見た目はまるでレコードのようですが、アルミ板にラッカーの樹脂を塗布した柔らかい素材なのだそう。これを温めたカッターで切っていく作業がカッティングです。
ラッカー盤は傷つきやすいため、工場用のマスター盤は針を落として音を確認することができません。
そのため顕微鏡を覗き、音溝と音溝が近づきすぎていないかなどを、目で確認するのです。
脇に置かれたヘリウムガスは、熱くなりすぎたコイルなどを冷やすために使われるのだとか。
そんな繊細なカッティングは、相応の技術力や忍耐力を伴う作業です。
ラッカー盤からメタル盤へ
マスター盤が傷ついてしまっては、再生産ができなくなってしまいます。
工場で量産するためには、金属の金型が必要です。
ラッカー盤の凹凸を、型取りして金属に写します。型取りすると、凸凹が反対になった金属原盤、すなわち「メタルマスター」ができあがります。ラッカー盤より丈夫ですが、これまた傷をつけるわけにはいきません。さらに型取りを繰り返し、量産用の金型「スタンパー」を作成します。
凸凹とあわせて順序を見ていくと、製品のレコードのできあがりまでは下記のような工程となります。
- ラッカー盤(凹)
- メタルマスター(凸)
- メタルマザー(凹)
- スタンパー(凸)
- レコード(凹)→私たちの手元へ!
こちらがスタンパー。よく見ると、凸凹がレコードと反対なのがわかるでしょうか。
貴重なカッティングスタジオ
CDの登場により、あまり生産されなくなったレコード。今になってレコード人気が高まってきたものの、簡単に作れるものではありません。
現存するカッティングマシンの数も、確かな腕をもった技術者も限られるのです。
カッティングマシンはVMS70という、1970年代に作られたドイツ製のもの。
そのあとのVMS80とあわせても、現役で動くものは日本に数台しかありません。
今回のレコードも、ベテランの技術と知識をふんだんに駆使してカッティングが行われました。
今回いろいろ教えてくれた武沢さんは、国内外から指名がくる業界の重鎮ですが、右往左往してその技術を学んだことを語ってくれました。まさしく職人の世界ですね。
私たちの手元へ!
さて、音の調整だけが制作ではありません。現場には、ジャケットや特典の印刷サンプルも用意されていました。いよいよできあがる実感が湧きます。ポスターもついていて、レコードプレイヤーを持っていなくても欲しくなっちゃいますね!
さまざまな工程を経て、1つの製品が手元に届く…。そんな貴重な現場のようす、いかがでしたか?
『あつまれ どうぶつの森』のゲーム内でもさまざまなオーディオ家具でミュージックをかけることができ、音の鳴り方もちょっと変わります。レコードプレイヤー系の家具で、レトロな趣を演出している人もいるのではないでしょうか。
今回は本物のレコード化ということで、実際のプレイヤーで音の違いを味わってみてください。
『あつ森』CDも含めて日本コロムビアさんからはさまざまなゲームCDも発売されていますが、いつものマスタリングへの妥協のなさが、いっそう伝わってくるような現場でした!
ボーナストラックがいち早く聴けたのも嬉しい!まさかの「はずれ曲」でびっくりしちゃいましたが、最高にゴキゲンなアレンジを楽しめました♪
完全限定生産のため数量は限られます。予約をしていないけどやっぱり欲しいかも…という人は、もし当日販売分を見つけたらぜひ即ゲットしてくださいね!
商品情報
あつまれ どうぶつの森 とたけけミュージック Instrumental Selection【完全限定生産盤】(アナログ LP)
■日本コロムビア ■4620円(込)■2022年11月23日
▶︎ 公式サイト
A面にはアッパーな楽曲を、B面にはまったりできるチルアウトな楽曲を選りすぐり。ここだけのボーナストラックも必聴です。
A面(アッパーサイド):01.けけアイドル/02.ユーロビート/03.ドラムンベース/04.アーバンけけ/05.けけホップ/06.けけハウス/07.けけディスコ/08.けけブレイク/09.けけグルーヴ/10.けけロイド
B面(チルサイド):01.チルウェイヴ/02.けけトロニカ/03.けけダブ/04.けけラヴァーズ/05.けけバッシュメント/06.ドライブ/07.けけボッサ/08.みんなあつまれ/09.はずれ 02 -City & Pop Ver.- [Bonus Track]
※Instrumentalでの収録となりますので「とたけけ」による歌唱は入っておりません(「はずれ02 -City & Pop Ver.-」除く)
<あわせてチェック!>
レコードのほかにもサントラCDとして、「あつまれ どうぶつの森」オリジナルサウンドトラック とたけけミュージック集 Instrumentalなどが発売中です!あわせてチェックしてみてくださいね。
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