【オススメ Nintendo Switch】風呂に浸かるように世界に肩まで浸りたいRPG『ゼノブレイド3』
Nintendo SwitchでRPGを遊ぶなら、まず『ゼノブレイド3』を!
本作の謳い文句には「オープンワールドで広大な世界」や「遊び応えのある戦闘」など、いろいろとありますが、いったんおいておきまして。今回は初めてNintendo SwitchでRPGを触ろうかと考えている人を中心に、少しゆるい感じで『ゼノブレイド3』をご紹介できればと思います。
【特集:オススメ Nintendo Switch】
幼少期よりゲームと過ごし、思春期に少し離れたものの、大人になって大復活したライター・トーリです。この記事では、そんな私がこの年末年始、時間があるからこそじっくりゲームを楽しみたいと考えている方にオススメしたい、SF世界で繰り広げられるRPG『ゼノブレイド3』を紹介します。
『ゼノブレイド3』の基本
たくさんの成長要素や戦略性のあるバトルを楽しめるのですが、基本はレベルアップ制です(敵が強かったらレベルを上げればいいので安心してください)。バトルも難易度を選べる親切設計になっていますので、ストーリーを追うだけでも十分楽しむことができます。
3作目だからといって触らないのは損
タイトルに「3」という文字があると、初めて遊ぶ人はなかなか手を出しにくいですよね。
たしかに、シリーズも3作目となれば、固定ファンもたくさんいます。ですが、本作はシリーズを知らなくても問題なくプレイできます。
ここは本当に強くいっておきたい。
とはいえ、大抵こういう書き出しのレビューで「本作はシリーズを知らないと遊べない作品だ」なんてことを書いてある文章は読んだことないですが。
でも、それ以上にそこは大丈夫だと思ってください。(しいていうなら、前作を知っているとニヤリとできることがあるくらいです)
むしろ、前作までのシステムが積み重ねにより洗練されさらに遊びやすくなっています。
また、このサイトにたどり着く前に本作について調べていた方には、「ものすごい長い時間遊べるゲーム」という情報が耳に入っているかもしれません。
まさしくその通りです。
ですが、その長時間遊べるゲームという言葉。昔ならともかく、忙しい現代人には逆に重荷になっている気がするんですよね。
でも、本作を長時間プレイ拘束がきつそうだから遊ばないというのは本当に損しています。なぜならば、気づけば毎日プレイしてしまうほどの魅力・吸引力を持ったタイトルだからです。
なので「○○時間も遊べるよ!」という言葉に嘘はないですけど、「気づいたら○○時間も遊んでいたよ!」という方が正しいと私は思います。
なんといっても、物語を感じてほしい
今回の記事で皆さんにぜひとも知ってもらいたいのは、物語です。ですので、すごくざっくりと本作の世界と始まりについてお伝えしようと思います。
まず、本作は冒頭に書いたようにSFの世界です。そう、メカもいっぱい登場します。そして、何より大事なのは私たちの常識をいったん忘れることだったりします。
本作の舞台「アイオニオン」では、人々が寿命10年という中で暮らしています。そして、彼らはなぜかケヴェス(黒い軍)とアグヌス(白い軍)という2つ国に所属していて、世界各地にあるコロニー(要塞みたいな集落)で生活をし、常に2国間で戦争をしています。
ここではさらになぜか互いが互いの命を得る(殺す)ことで、自軍の命が増えて、生きることができる世界となっています。つまり、相手国の人命を奪わなければ自分たちは生きられない。戦うために生きる、生きるために戦うというとてもハードな人たちが暮らす世界なんですね。寿命が10年しかないのに。
ちなみに10年経った人たちは、どちらの国も「成人の儀」なる儀式によって、光の粒子となり消えていきます。ただ“10年間生きる=戦い抜いた英雄”なわけですから、それはそれは栄誉なことで、暮らしている人々は皆、成人の儀に向けて必死に毎日を戦い生きているというわけです。最後には消えちゃうのに。
といった感じの価値観をもつ世界を前提として、物語は始まります。
ケヴェスのコロニー9所属のノアは、ある日、仲間のランツ、ユーニとともに謎の物体を破壊・調査するための任務に向かいます。そこにはアグヌス軍も同じように展開していて、アグヌスのコロニーガンマ所属のミオ、セナ、タイオンの3人と対峙、激しい戦闘を繰り広げます。
お互い憎む者同士、ただただ衝突することになるんです。
そんな状況下で、すったもんだがありまして(失礼)、謎の反応の正体やら謎の敵やらが登場します。ここで驚くのは、なんとケヴェスでもアグヌスでもない人たちがいたんです。しかもその容姿は年老いていてシワシワでした。
ようするに彼らは私たちの常識と同じように歳をとった人たちでした。でもノアたちは年老いた人の姿を初めて見ることになるんです。
お前ら生きたいか——お前らはもう戦う必要はない——。
「もっと生きたいならシティーを目指せ。お前らの本当の敵を倒すために。その命たった10年で終わらせるな(意訳)」
謎のどちらの軍にも属さない人物が放った言葉に6人は迷い、紆余曲折を経てやがて受け入れます。
こうして、ノア、ミオ、ランツ、セナ、ユーニ、タイオンの6人は最初はいがみ合いながらも、少しずつ絆を得て仲間へと成長し、シティーに向けて進んでいきます。
しかし、その前途は多難です。なぜなら6人は世界全体から見れば裏切り者の集まりですから、両国から狙われる立場になるんです。しかも、ヒロインのミオはあと数か月で成人なので、寿命がリミットを迎えてしまいます。もう時間もないんですね。
そんななか、6人は“「生きる」とは”を考え、葛藤しながら前へ前へと進んでいく——。
とまぁ、簡単にまとめちゃったのですが(知っている方は、あれもこれも要素に触れずにすみません)、どうですか? なんで寿命が10年なの? 老いた人たちはなんなの? 本当の敵ってなんなの? と、先が気になりませんか?
そもそも生まれた時から敵だと教え込まれ、仲間をたくさん殺されてきた相手の軍と旅をしなければならない。しかも、これまでの仲間たちと相対しながらってハードすぎません?
自分の常識はそんなに簡単に覆ったり、「黒を白と言え」みたいな状況って受け入れることは難しいじゃないですか。
本作は、そういった10年しか生きられない者たち(これも我々の感覚であり、ノアたちにしてみれば当たり前のことなので、この表現が正しいかはわかりませんが)の苦悩を描きつつ、それでも少しずつ進んでいく姿を写しだす重厚な物語が待っているわけですよ!
これはRPG好きならずとも、SF好きならずとも、遊ばないなんて損でしかありません。ゲームの中でしか体験できない設定の世界が、洗練されたシステムとともに広大に広がっているんですから!
※(誤解がないよう)ちゃんとしたストーリー解説を公式サイトより引用しておきます。巨人とかまったく触れてなくてすみません。
相争う2つの巨大な軍事国家「ケヴェス」と「アグヌス」。
国民は生まれた時から戦うことを宿命づけられている。
彼らの寿命は10年。
戦場を生き抜き、その寿命を全うし、女王の御前で「成人の儀」を受けることが最大の栄誉。
だが、多くの者は戦場で命を落とし、その魂は粒子となって空の彼方へと旅立つ。
「おくりびと」の奏でる調べにのって。ケヴェス軍の兵士ノアは仲間と共に、強力なエネルギーを放つ謎の物体を破壊する任に就く。
目標直前まで迫るも、同じく破壊を目論むアグヌス兵のミオたちと対時してしまう。
両者が剣を交える最中、突如謎の巨人が姿を現し、ノアやミオたち6人を蹂躙していく。
その時、謎の物体の持ち主と思しき男が物体の封を解き、エネルギーを解き放つ。
そのエネルギーを受けたノアとミオは融合し、巨人の姿に。
手に入れた力を駆使し、なんとか謎の巨人を撃退することに成功する。何故戦い合う?お前らはもう敵同士じゃない。本当の敵は他にいる。
生き延びたいと願うのなら目指せ、大剣の突き立つ大地「シティー」を!
お前らの“本当の敵”を倒すために。
男のその言葉を信じて、敵対する2国の兵士たちは共に手を取る。 “本当の敵”、そして自らの生きる世界の真相を確かめるべく、
「大剣の突き立つ大地」を目指して旅立つのであった。
本質は人間ドラマにあり
そういった世界ですので、ノアたち以外のアイオニオンで暮らしている人たちもまた両国ともに戦争で仲間をなくしていたりと、思い思いの感情をもって生活しています。そうした人々やコロニー間の間柄、そして何よりノアたちが干渉することで変化していく人間関係も、とても丁寧に描写されていきます。
メインストーリーで描かれる部分もあれば、無数にあるサブクエストを遊ぶことで、それらコロニーで生活する人々の感情や内情をより知ることができる仕組みになっています。
もちろんメインストーリーを追うだけでも楽しいですが、サブクエストもぜひ遊んで人の繋がりや心の隙間を埋めてほしい。SF世界の中で描かれる無数の人間ドラマこそが、この物語の本質だと思いますので……って、サブクエストまでやるのはめんどくさいとか思う人もいるかもしれません。でも、ここも大丈夫です。
遊んでいると、「え、気になる、次のサブクエは?」みたいになりますので(笑)。
「へぇ、そういうことだったんだ」とクエストをこなせばこなすほど、理解が深まっていきます。ゆえに登場人物もめっちゃ多いんですけど、ここは最初にあげた「長時間プレイ」の利点ですね。長く付き合うので自然と頭に入ってきます(全キャラとは言いませんが)。
ですので、ありふれた売り文句で表現するなら、こうした横道にそれまくって世界の堀りを埋める遊びこそが『ゼノブレイド3』であり、本シリーズの醍醐味なのです。
仲間と冒険している感覚
もっといろいろ言いたいことはあるのですが、長くなったのであとひとつだけ言わせてください。それは仲間たちとの連帯感です。
よくRPGで仲間が増えてくると、パーティメンバーを入れ替えてバトルをしたりして、一緒に冒険をしているはずなのだけど、どこか寂しい。そんなふうに思ったことはありませんか?
でも、本作はメインキャラ6人全員でパーティを組み、全員バトルに参加します(そこにヒーローキャラ(ゲスト)も加わったりします)。なんならフィールドも全員で一緒に移動するし、歩きながらぼやいたり、キャンプ地で休憩中にキャラ同士の触れ合いを垣間見ることができたりと、仲間とともに冒険をしている感覚が半端ありません。
本当にキャラクターが生き生きとしていて、その心の距離が少しずつ縮まっていく表現も鮮やかで……と、これ以上説明するとチープに聞こえそうなので、とにかく遊んでみてほしいです(笑)。
どっぷりRPGに浸りたい人へ
……語りたいことはまだいくらでもあるのですが、今回は私の熱量だけでも伝わったのならうれしいです。
Nintendo SwitchでどっぷりRPGに浸りたい方、ぜひ手に取ってみてくださいね!
・・・。
……実は私が伝えたいのは、そんな初めましての人だけじゃありません。
ここまでこの記事を読んでくださっている人は(ありがとうございます)、『ゼノブレイド3』にある程度興味がでた方か、もう遊んだ方、そして興味はあるけど……な、下記のこんな方々じゃないでしょうか?
- 時間ができたら遊ぼうと思って、ソフトを買ったけど積んでいるプレイヤーさん。
- 気になっているけど、プレイ時間が長いと聞いているから後回しにして購入まで至っていないユーザーさん。
違いますか?
私はそういった方々にも言いたいのです。
なぜなら私もその口だったから!「時間ないしなー」と少し避けておりました。しかし冒頭にも書いたとおり、遊び始めたら毎日少しずつでもプレイしてしまう中毒性の塊です。早く家に帰りたいなんて思ったの久しぶりだったんですよ!
ですので、そういった人たちに必要なのは、1回目のスイッチオンだけです。あとは水が下へと流れるように、息を吸うように、帰宅すると自然にNintendo Switchを起動していることになるでしょう。
私は気づいたらプレイ時間が200時間近くになっていました。
そしてクリアした今、「ゼノブレ3ロス」です。なんなら、メインストーリーがそろそろ終わりに差し掛かっていると感じたときは、あえてクリアしないでただただ世界に浸っていたぐらいです。追加コンテンツの新しいストーリーまで待てないよ!
というわけで、まだ封を開けていない方、いつか買おうと思っていた方も、年末年始のこのタイミングは最高のきっかけなんじゃないですか? 誰かに「ゲームばっかりやって」とか言われても「年末年始休みだし」と言えてしまう、この時期なんじゃないですか!?
・・・。
すみません。熱くなりました。
さて、最後に少し真面目に。本作は自分がどんな年齢や立場で遊んだかによっても、物語の感じ方や最終的な捉え方が変わってくるゲームだと思っています。
ある種、私たちの社会の縮図のような設定に、製作者側のメッセージが込められていて、皆さんがそこをどう感じ、どう消化したのか。個人的にも非常に興味があります。ですので、クリアした際にはぜひ感想レビューをNDWのレコメンドで投稿してほしいです。いいところもわるいところもふくめて語り合える、語りたくなるゲーム。それが『ゼノブレイド3』だと思います。
私は背中を推しました(ある意味おくりびと)!
あとは皆さんがNintendo Switchのボタンを押すだけです!
こちらの動画でシステムも含めて詳しく解説されているので、ぜひ見てくださいね!
発売元:任天堂株式会社
発売日:2022年7月29日
価格:パッケージ版 8,778円(税込)/ダウンロード版 8,700円(税込)
ジャンル:RPG
プレイ人数:1人
CERO:C(15才以上)追加コンテンツ:■Xenoblade3 エキスパンション・パス
配信日:2022年7月29日
価格:3,000円(税込)
※ソフト(本編)をお持ちの方に遊んでいただける追加コンテンツ
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